303.WBCその4
 ワールド・ベースボール・クラシック、日本対キューバの決勝戦。日本チームの世界一おめでとうございます。素晴らしい快挙に言葉はありません。世界一です。
 決勝戦当日の昼間はNPO会合に出掛けていたため、結果を知ったのはNPO会合の後メンバーが知らせてくれました。映像を見たのは夜になってからですが素晴らしい結末でした。
 最終回の9回表、1点差に迫られた後ですから何としても突き放したいところで、イチロー選手の打席。タイムリーで1点追加した気力、最高のプレッシャーを感じる中での一打、さすが世界のスーパースターです。2塁からホームに向かった川崎選手が捕手の間をかいくぐってのホームイン、凄いプレーでした。キューバに迫られる要因となったチームのリズムを崩してしまったエラーのプレッシャーを払い退けた強い精神力、これも見事でした。 
 個人がプレッシャーに打ち勝って団結するとチームは素晴らしいものになること、指揮官と選手の尊敬と信頼が結果を出せることを証明してくれるものでした。
 私達は戦う勇気と誇り、あきらめない気持ちを受け取りましたが、決勝戦を戦った選手の言葉に全ての気持ちが集約されています。(テレビのインタビューから書き写したため発言内容は正確ではありません)

王監督「諸君は素晴らしい」
「今までの優勝の中でも最高の優勝です」
「オリンピックに出場した方に大変なプレッシャーだと聞いていたけれど、国際試合では今まで感じたことのない凄いプレッシャーだった」

イチロー選手「最大の屈辱と最高の喜びを味わった」
「子どものような気持ちになって楽しんだし、プレッシャーを感じてプロとしての誇りを示せた」
「最高のメンバーと最高のチームで戦えたのは誇りに思う」
「(つぶれてもいいと言うくらい)何があってもやってやるという気持ちだった」
川崎選手「新たな目標が生まれたのでまだまだ上手くなれる気がする」

松坂選手「嬉しさと同時に寂しさも感じています」
「世界一を目指して一ヶ月頑張ってきたので結果には満足しています。決勝の先発を任されたのは誇りに思う」

 世界一の響きは、それだけで私達を元気させてくれる程の響きです。それ程、人間の行動には気持ちが大きく関わってきます。
 日本チームが成し遂げた奇跡と快挙。どん底と栄光。全力を尽くした後にやってくる喜びと寂しさ。本気で物事に向かう者だけが味わうことの出来る達成した時の喜びと、目標を達成した後にやってくる嬉しい寂しさ。年齢と共になくしてしまうこれらの大切な気持ち。決して忘れないように、生涯持ち続けなくてはならないものです。
 何度か試してみて駄目だったらあきらめてしまうこと。社会の厚い壁に跳ね返されること。一生懸命取り組んでも非難を浴びせられることなど。本当に色々ありますが、人生においてあきらめることは許されないことを学びました。
 世界一の勇気をもらった後は、自分が目指すべきことの中で一番を目指した行動することが残されています。他者からも預かったものは自分の中に知識と経験の形で取り込んで行動し、自分の経験に変換させることで本当に自分のものになります。

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