202.情報が現実を創る
 私達は一人で何かに取り組もうとした場合、継続するためには凄まじいまでの精神力が必要であることを知っています。誰も見ていないと手を抜く、一人で机に向かうつらさも経験しています。そんな時の周囲からの励ましは、元気を与えてくれるビタミン剤になります。直接会わなくてもメールの文字情報であっても元気になる場合もあります。

 人は環境の中にある現実を作られるとその気になってしまいます。情報を与えることで現実を創ることが可能です。ある仕事に取り組んでいる時に周囲の人から「がんばっているね」「あなたにしか出来ない仕事だね」「きっと実現出来るよ」「出来たら購入するからね」などの言葉を与えられると、本人はその気になってしまいます。
 逆に「無理だよ」「出来ても誰も買わないよ」「仕上がる見込みはあるの」など言われるとやる気が失せてしまいます。言葉という情報が、与えられた人の現実を左右しているのです。正に情報が人の周囲の現実を創り出しているのです。

 ある空き地にビルが建つという情報が集まめられた状態でそこに行くと、何も見えませんが、やがてビルが建っている光景が頭に浮かんできます。設計図やパースなどの情報を入手していればより鮮明にビルが浮かび上がる筈です。このようにビルが建つという情報がやがて現実になるものを見せてくれるのです。
 情報の威力の凄さが分かる事例は他にもあります。インターネットに書き込まれた文字情報で、自殺者が出る、他人を傷つける、犯罪心理が働くなど、文字によって影響が与えられている事例が社会で現れています。文字情報によって人が動かされる社会状況にあり、情報によって人は動かされること、心理的変化を与えることは不可能ではないのです。

 人はひとつだけの情報を信頼して行動することはありませんが、複数の情報を総合した結果、同じような傾向にあることを認知出来たら自分で情報を判断し行動に写します。複数の信頼出来る情報から現実だと思われることを創造し、それに即した行動を取ることによって、創造していたものが現実のものとなります。信頼出来る情報とは、出典が明らかなもの、日付が明らかになっているもの、信頼できる相手からの情報などです。

 ひとつの情報だけでは価値を見出しにくいものですが、複数が集まることによって、或いは信頼出来る情報が積み重なることによって周囲の環境を築いていきます。架空のものでも信頼できると思われる情報が積み重ねられた結果、ある結論を導いてしてしまうと自分の中では現実のものと思い込んでしまいます。このケースでは、物事を良い方向へも悪い方向へも導く可能性があります。
 ただ言えるのは、このような自分が信頼出来ると判断した情報の積み重ねによって、自分の周囲の現実は創られていくのです。情報そのものに価値はなくそれをどう活かすかが価値の源泉ですが、信頼出来る情報が積み重なり現実を創り出すまでになるとを認識しておく必要があります。そして価値のある早くて信頼出来る最初の情報は、人と会うことにおいて得られることが多いのです。後は媒体やインターネットで検索していくことで信頼性を補完することが出来ます。

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