131.逢坂誠二町長
 北海道ニセコ町の逢坂誠二町長は、全国で始めて地方自治体の憲法ともいえる「ニセコ町まちづくり条例」を制定したことで有名です。条例は平成12年12月27日に制定され、翌平成13年4月1日に施行されています。
 逢坂町長は就任以来毎朝、町職員さんに町長室日記を配信しています。初回は平成9年11月15日からですから、配信された日記は1,500回を超えています。日記を書くのは毎朝5時50分に役場へ登庁してからです。出張がない限り、毎朝5時50分には町長席に座っているようです。席では新聞8紙を読み、関心のある記事や職員さんに知ってもらいたい記事を抽出し日記を書いているようです。
 
 日記を毎日書いている人は信頼出来る人です。何があっても書き続けるのは強い精神力と何かの動機が必要です。何も目的がないのに書き続けることは出来ません。逢坂町長の場合は、少しでも職員さんに成長してもらいたいとの思いが行動に移されているようです。それでも7年間、継続してきた精神力は凄いものです。一日一日の積み重ねが大きなものになるのは当然のことですが、逢坂町長の日記はまとめられて「町長室日記」のタイトルの本になっています。
 
 ところでこの視察に関して、宿泊の手配と旅程は株式会社にニセコリゾート観光協会が行ってくれます。ニセコ町視察に関しての手配はこの株式会社が窓口になるしくみです。 
 観光協会を株式会社にしたのはニセコ町が初めてですが、親切な対応で従来の組織と意識が異なる感じがします。ニセコ町の視察に来てもらうのだからニセコ町に宿泊していただく、その手配を町のことを最もよく知っている観光協会がお世話をするのは、よそから来る人をおもてなしする気持ちがあるからです。勿論、ニセコ町が設立した株式会社ですから、収益を上げさせるために窓口にしているのでしょうが、
町長を商品として視察をオーダーメイドのパック旅行商品と捉えているのは見習うべきものです。

 ニセコ町はリゾート地として夏も冬も優れた観光地ですが、観光資源に逢坂誠二という町長があります。先進的な取り組みをしていたり、人間的魅力のある首長がいる地方自治体には多くの人が訪れます。
先日訪れた清水市長がいる太田市には年間140件も公式な視察を受け入れています。明日行くニセコ町には年間200件もの視察が訪れています。首長が人を引きつけてくれる、それだけでも経済効果があります。

 それに加えて改革派首長同士の横の連携があると聞きます。知事や市長、町村長に関係なく交流の機会を持ち情報交換を行い、他都市の良いところは取り入れる度量を秘めています。共通しているのは情報公開と、既成概念としがらみにとらわれない施策を実行していることです。小さな地方自治体が少しずつ変わることで県が変わります。県が変わる国を動かすことが出来ます。動くかどうかは分からないけれども、そう信じてまず実行している首長は、当然名前が出てきます。逢坂町長は北海道知事候補にも名前が挙がったことがありますし、和歌山県の木村知事も交流していると聞いたことがあります。どこにいても人物は世に出てくるようです。

 濃い平準化という言葉があります。この意味するところは、誰かが突出することで全体のレベルを上げることです。レベルの低いところに合わせに行かないで、ひとつが抜き出てそれを追従してもらう競い合いをすることで全体は良くなります。

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