9.当たり前のこと?
 普段、意識せず何気なく行っていること。こんなの出来て当たり前と思っていること。同じ事の繰り返しでマンネリになっていること。結構、沢山あります。
 自分の立場、自分の視点で物事を見ていると気がつかないことも、他人の視点を持って見ると、自分が当たり前と思っていることが、実は当たり前ではなく、奇跡のような出来事だと思うことがあります。
 他人の視点で見るためには、境遇の違う人と心から触れ合うことが必要です。信頼関係を持って話をする、意見交換をする中から自分が見えてきます。
 新聞を読む、外出する、階段を昇る、日常的な行動です。でも今、この世界に存在し、不自由なく行動できることは感謝すべきことかも知れません。

 平成15年9月の市議会に車椅子利用の方が傍聴に来られました。事務局に聞くと車椅子用の傍聴席は、市議会本会議で初めて使用したそうです。重度障害者のこの方は一人では出歩けません。今回が、生まれて初めての市議会傍聴だったのです。今回、一大決心して市議会に来てくれました。「私も議会に行って質疑を聴くことが出来た。とても勉強になった。人間、勉強しないといけないからね。議会に行けるなんて嬉しかった。感謝している。」と初傍聴を心から喜んでくれました。

 でも「席は議場を眺めるのにガラス越しで、スピーカーも設置されていないため、質疑がはっきり聞こえずに残念だった。他の人と同じ傍聴席で見たかった。障害者も同じ市民です。」と涙ながらに話してくれました。
 出来れば、皆んなと同じフロアで聞きたいと話してくれました。曰く「市は障害者に冷たい。」確かに、一度も使われたことの無かった障害者の方のための傍聴席ですから、そこからの見え方はどうなのか、十分に聴こえるかなどのチェックが不十分だったのかも知れません。
 障害者の方が、決意して市議会傍聴をしてくれた結果の意見です。たった一人でも、ここを使用したのは一人ですから大きな意見だと思います。
 
 時期がくれば、当たり前のように開かれる市議会ですが、来たくても来られない方がいます。必死の思いで来てくれ、一言一句聞き漏らさず聞いてくれる人がいます。
 多くの人からエネルギーを貰っています。逆に、私は何を与えられているのだろう思いました。
 全力を尽くすことがお返しになるのかなと思います。

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