コラム
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2017/3/8
1679    LALALAND

2017年の「LALALAND」は、生涯、心に残る名作で最高のミュージカル映画です。この映画に出会えたことは素敵な出来事です。人は夢に向かって前進しようとしますが、その道のりは厳しく、時には自信を無くし、時には自己否定を行い、時には諦めかけ、時には人に冷たく当たります。夢を諦めたくなる時、大切な人がいるともう一度挑戦しようと思うことがあります。

主演女優のエマ・ストーンのインタビュー記事を読みました。映画で演じたミアのようにかつては「自分もいくつものオーディションを受けては落とされた」経験を持っているようです。ハリウッド女優にも、「LALALAND」の主人公のミアのように売れない時代があったことを語っていました。

「私も18歳から21歳までの間、同じように女優志望の友人二人をルームメイトに持っていたのよ。家賃が安くすむし、いろんな人との出会いも増えるから。テレビの新番組シーズンにいくつものオーディションを受けては落とされるという経験もした。落ちるのも辛いけど、それが続くと、そのうち声すらかからなくなるのよ。でも、振り返って、それらに落ちたからこそ今のキャリアがあるんだと、逆に感謝の気持ちを感じるわ」と語っています。

誰でもキャリアを形成する前の段階には落とされる経験を持っています。落とされる経験は自信を失わせるのに十分過ぎるものです。「もう落ちたくない」と思い、次に挑戦することを諦めてしまう心が芽生えてきます。「もう無理」、「これ以上落とされたくない」など自己否定の気持ちが生じるのです。

そこから逃げることも選択肢として浮かんできますが、年齢を重ねた現在の僕だから言えることがあります。「もし後悔したくないなら、やってみることです」と。

落とされることが怖くて逃げたことがありますが、後悔が残るだけです。逃げた経験は落とされた経験よりも、辛い過去になっている場合があります。嫌なことであっても、実力が届かないと思っていても、無理かもしれないと弱気が生じても、やはり逃げないで挑戦するという選択をしたいと思います。

エマ・ストーンは「オスカーに行くのは、すごく楽しい。結果を考えてプレッシャーを感じるなんて、ばからしいわ。私は、その役、その映画に魅力を感じたからやっただけ。そこからさらに何かが生まれるのだとしたら、あくまで“おまけ”よ」とインタビューに答えています。

やってみて、それを終えた後の結果は気にしないことです。テストの結果、試験の結果、プレゼンの結果、一般質問の評価など、「もう少し説明を加えておけばよかった」だとか「もう少し勉強しておけば点数がとれたのに」と思うことがありますが、終わってしまったことは、もう一度やりようがないので、そこで心の整理をすることが大事です。

逃げないでやったことが大事なことであり、その結果はどうでも良いことです。もし良い結果や評価がついてくるとすれば、それは「おまけ」だと思える心のゆとりを持ちたいものです。逃げないでやったことに価値がある。全てを出してやり切ったことに価値があります。

落ちるかもしれない、負けるかもしれないという気持ちに負けないで逃げないこと。逃げないでやることに後に続く人生の価値があります。