令和6年2月定例会一般質問 / 質問内容

2.医療的ケア児等支援センターについて

一般質問

「早ね、早起き、朝ごはん」運動は、生徒だけではなく保護者にも講演するなど、今後の取り組みをお願いいたします。

次の質問に入ります。令和3年12月の県議会一般質問で設置を求め「『医療的ケア児支援センター』の設置については、令和5年度を目標とし、引き続き市町村や関係機関と連携し、取り組んでまいります」と答弁を得ていた「支援センター」が令和6年2月1日に開設されました。当時は令和5年度の開設までは長いなぁと思っていましたが、保護者の皆さんと開設に向けた連携をしてくれたお陰で、無事にスタートすることができましたこと、福祉保健部の皆さんにも感謝いたします。

保護者が待望していた「支援センター」が設置されたことで「医療的ケア児」への相談対応や情報提供などの面での対策が前進することになります。「支援センター」には保健師さんが配属されているので、ご家族の皆さんとの相談を受けられる体制が整い、市町村との連携がより一層図れることになります。

「支援センター」の設置が全国でも後発となったことは残念ですが、遅れた分は先進地の取り組みや事例から学び、支援は直ぐに追い付けるものと考えています。

今回「支援センター」の設置に漕ぎつけられたのは、保護者の皆さんの熱心な活動と「支援センター設置」を担当してくれた職員の皆さんの取り組みの結果です。

しかしこれからがスタートなので「支援センター」を必要とする保護者からの要望を踏まえて、役割と機能の充実を図って欲しいと思います。

和歌山県内の市町の中には「医療的ケア児に係る個別避難計画は策定すべきでは」という非常時への対応の観点も必要です。

災害要支援者の観点から考える「医療的ケア児」の支援ですが、避難所には「医療的ケア児」が利用可能なトイレはないと思います。ベッド付きのトイレがないことを前提とすれば、ユニバーサルベッドを非常時のために避難所に保管することが必要です。

もちろん避難所だけではなく、県庁や市役所、文化施設などの公的施設の障がい者用トイレをベッド付きに改造するのは費用もかかるため、これらの公的施設にユニバーサルベッドを配備することも検討すべきことだと思います。

ところで能登半島地震では、石川県の医療的ケア児支援センターからの安否確認が速かったそうです。被災地には「医療的ケア児」が20数人いたのですが、地震発生から3日以内に全員が病院に避難することができていたと聞きました。

災害発生時における「医療的ケア児」の避難が迅速だったことから、石川県ではしっかりと「個別避難計画」が策定されていたと思われます。参考にすべき迅速な対応です。

また災害発生時の課題として停電への対応があります。呼吸器を必要とする「医療的ケア児」は電源やバッテリーを消耗してしまうと生命の危機になります。保護者が「停電は生命のカウントダウンの始まり」と表現してくれたように、呼吸器がなければ生命が危機に陥る医療的ケア児もいます。

このような視点で「個別避難計画」を策定する、または見直す必要があるので「支援センター」設置を契機として、諸課題に取り組んでもらいたいと思います。

ところで和歌山県では「重度訪問介護」の体制が十分ではないとの意見もあります。在宅ケアの場合、「重度訪問介護」をとても必要としています。

この課題に関しても、都会と比較して体制と人材の揃わない地方は遅れていると思うので「支援センター」での検討課題にすべきです。

質問1:医療的ケア児等支援センターの果たすべき役割について

本年2月1日、「医療的ケア児等支援センター」が開設されました。

医療的ケア児の保護者の皆さんは「医療的ケア児等支援センター」の開設を心待ちにしてきました。「支援センター」開設に至るまで保護者と話し合いが続けられてきたと思いますが、開設して以降の保護者からの要望への対応や連携、関わり方も含めて、「医療的ケア児等支援センター」の果たすべき役割について、福祉保健部長の答弁をお願いいたします。

答弁者:福祉保健部長【障害福祉課】

議員御質問にあるように、一元的な相談対応や情報提供、関係機関との連絡調整を行う県医療的ケア児等支援センターを本年2月1日、県庁内に設置いたしました。

県といたしましては、センター設置により、ケアを必要とする方とその家族が、地域で安心して暮らしていけるよう、市町村をはじめ関係機関との連携を強化してまいります。 引き続き、保護者からの御意見もいただきながら、必要とされる支援をお届け出来るようセンターを運営してまいります。

質問2:災害発生時における医療的ケア児に対する避難支援、および避難した後の個別の支援体制について

能登半島地震における石川県の医療的ケア児への避難の支援は見習う点があると思います。和歌山県として医療的ケア児に対する避難支援、および避難した後の個別の支援体制について、福祉保健部長の答弁をお願いいたします。

答弁者:福祉保健部長【障害福祉課】

2023年10月に実施した県の調査結果では、県内の医療的ケアを必要とするこどもの人数は179名でした。

この179名が、個々にどのようなケアを必要とされているかについては、各市町村において把握されているところです。

2023年3月末時点、医療的ケア児を含む避難行動要支援者の個別避難計画は県内全市町村で作成が進められているところではありますが、さらに、各市町村に対して、その作成について強く働きかけてまいります。

なお、災害が発生し避難した場合も、各避難所を保健師等が巡回することで、避難されている方のニーズを把握し、必要な支援に繋げることとなっております。

(要望)「重度訪問介護」を始めとする支援の充実について要望します。

医療的ケア児の保護者の方は24時間体制で子どものケアにあたっているので、気が休まることがありません。

全国的にもそうですが、医療的ケア児の保護者にとって大事な施策の一つである重度訪問介護を始め、一時預かりに対応している医療型短期入所施設など、レスパイトケアにつながる障害福祉サービス提供事業者や医療機関などは、またまだ不足していると聞いています。

身内に不幸事があり、子どもを事業者に預けにければいけないような時は、一時預かりを利用したいというニーズがあります。しかし医療的ケア児については、その状態が一人ひとり全く異なるため、求めている支援を必要とするタイミングで受けられることは、少ない状況であると聞いています。

障害福祉サービス提供事業者を始めとする支援体制の充実を図り、家族も安心して生活できるように、県としてこの「支援センター」を核として取り組んでいただくことを要望いたします。