平成28年9月定例会一般質問 / 質問内容

1.外国人観光客の受入体制について

こんにちは。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い一般質問を行います。

一般社団法人日本ハラール認定推進機構の加藤洋介さんが和歌山県を訪ねてくれました。山梨県では外国人観光客の誘客、中でもムスリム旅行者向けのホテルや旅館を誕生させ、誘客に成功していることを説明してくれました。

「和歌山県も外国人観光客の誘客に積極的だと聞いています。世界遺産である高野山や熊野古道があり外国人にとって魅力的な観光地なので、ここにムスリム旅行者を呼び込めると思います」と話してくれました。

ムスリム観光客向けに改装などをした山梨県のホテルは、四季の宿「富士山」(山梨県南都留郡富士河口湖町)で、ムスリム旅行者向けに宿泊者用の礼拝所が設置されています。ビザの緩和もありマレーシアやインドネシアからの旅行者が増加している状況から、ムスリム旅行者に日本での観光を楽しめるように礼拝所を設置したものです。

このように安心できるムスリムツーリズムが日本でも可能であることを、海外のムスリム観光業者へ河口湖での取り組みを発信しているようです。

ある県外の大手食品会社ではムスリム専用の食肉工場を設けていると聞きました。ここで生産されたお肉は、ムスリム用の食材として使用できることになります。このように外国人観光客誘致に積極的なところでは、外国人観光客向けの体制を整えつつあります。

またバイオマス発電で使用するPKSやパームステアリングオイルの主な輸入元はマレーシアやインドネシアなので、和歌山県にこれらの国からのお客さんの増加が予想できます。

そこで質問です。

質問1:ムスリム旅行者も含め外国人観光客向けの受入体制の整備や情報発信について

知事の議会開会日の説明でも、外国人観光客の受入体制の整備を進めると共に海外向けの情報発信やプロモーション活動を積極的に展開していくことの説明がありましたが、外国人観光客向けの受入体制の整備や情報発信はどう考えているのですか。

またムスリム旅行者向けの受入体制やこれらの国への情報発信はどう考えていますか。商工観光労働部長の答弁をお願いいたします。

答弁者:商工観光労働部長

県としましては、今後ともより多くの外国人観光客を誘致す るため、無料公衆無線LAN、おもてなしトイレの整備、電話 通訳サービス・簡易翻訳サービス等の受入環境の充実と各国の 嗜好・動向を踏まえた海外へのプロモーションを2本柱として、 取り組んでいます。

マレーシア、インドネシアをはじめとする東南アジア圏については、インバウンド観光客誘致の重点市場と捉え、ムスリム 旅行者の受入体制を向上させるため、県内の飲食店、宿泊施設 等の観光事業者を対象に、ムスリム対応に関するセミナーを開 催しています。

また、こうした取組みを行っている観光事業者の飲食や礼拝環境等への対応状況を集約し、多言語ガイドブックを通じて、 情報発信を行っているところです。

質問2:マレーシアに関する誘客の取り組みと成果について

平成25年6月の県議会定例会において、「和歌山県とマレーシア、そしてハラール市場への進出の可能性や期待、観光面から期待」で、知事から答弁をいただいているので、その一部を引用させていただきます。

「マレーシアについては、昨年の訪日数が過去最高を記録しておりまして、この夏(平成25年)に予定されているビザ免除で訪日数が一層増加するということが予想されまして、大変有望な、かつ重要な市場となっております。

また、県内の一部の宿泊施設では、ハラールや祈祷への対応を行っております。その際には、ハラールの問題について、受け入れ側のサービス主体が対応するということは、そんなに不可能とは思われません。十分可能だと思いますので、民間の企業とよく相談をして、研究して対応してまいりたいと思います。

このような県や民間事業者の取り組みによりまして、マレーシアの旅行会社が和歌山商品を造成するというようなことが実施されておりまして、少しずつ成果があらわれておりますけれども、まだまだでございますから、マレーシアへのプロモーションを継続、強化することによって、さらなる誘客に努めてまいりたい」という答弁でした。

マレーシアへのプロモーション活動の継続、強化によりさらなる誘客に努めてまいりたい、とのことですが、継続、強化したプロモーションによる誘客の成果はどのように表れていますか。商工観光労働部長の答弁をお願いいたします。

答弁者:商工観光労働部長

マレーシアからの誘客に関しましては、平成23年から毎年現地旅行博へ出展するとともに、メディア取材やエージェントへのFAMトリップを実施するなど、継続したプロモーションに取り組んでいます。

これらの取組みにより、マレーシアからの県内宿泊者数は、統計を始めた平成25年の527人から平成27年には1,718人と3年間で3倍以上に増加しております。

併せて、マレーシアからの教育旅行の誘致にも取り組んでおり、平成27年は5校155人が来県し、印南町、日高川町で民泊体験や県内の高等学校との交流を行っております。

質問3:東南アジア圏からの観光客増加に対応した宿泊施設への支援について

部長の答弁から、マレーシアからの誘客の取り組みは成功しているということですね。では今後、白浜空港の国際線化が図れると、運営者は東南アジアからの外国人観光客の誘客にも力を注ぐことになり、アジアの国からの観光客の増加が見込まれます。

既に白浜町のホテルも外資になっているところがありますし、アジア圏やムスリム旅行者向けのホテルの設置の可能性がでてきます。今から東南アジアからの観光客増加に対応した体制や民間事業者との連携を図る必要があると思いますが、補助制度の適用も含めて商工観光労働部長の答弁をお願いいたします。

答弁者:商工観光労働部長

東南アジア圏から今後多くの皆さんを本県にお迎えできるよう、セミナーの開催等により宿泊施設の受入体制の充実に取り組むとともに、メディアやウエブサイトを活用しつつ、あらゆる機会を捉えて、情報発信を行ってまいります。

また、本年9月より高級ホテル、旅館の開設を促進する奨励金制度を創設いたしました。この制度は、県内に一定の要件を満たす宿泊施設を新たに建設、取得、賃借又は増設する場合に、奨励金や補助金を交付するものです。昨年、本県への観光客が過去最高を記録する中、高級ホテル、旅館の立地による更なる知名度の向上や新たな顧客層の誘客を図ってまいりたいと考えております。