宿泊と観光のあり方
県内の宿泊施設と観光のあり方について会議を行いました。今後さらにインバウンド観光客を迎えるために必要なことを協議しました。和歌山県の場合、日本食、温泉、そして景色だそうです。この三要素が和歌山県の強みなので、これを生かすインバウンド対策を講じるべきです。
景色と温泉は大丈夫なので問題は日本食です。ここで京都府と和歌山県の違いの指摘がありました。京都府が中心となって日本食が無形文化遺産に認可されたこともあり、日本食は文句なしで、リピート性があるのはこの日本食と四季の景色があることが要因です。
対して和歌山県のリピート性が弱いのは、飽きないための日本食の選択肢と四季を通じた景色の変化のアピールです。指摘を受けて、確かに和歌山県観光で四季の移ろいを訴えている場面が少ないように感じました。夏場の海水浴と冬場の温泉はアピールできていますが、2シーズンに終わっているようで、4シーズンになっていないようにも感じます。ここが宿泊と観光の課題だと思います。
もう一つは行きたくなる観光をつくり上げることです。ヒントになったのが「おおさか堺バルーン」です。堺市民でも仁徳天皇陵を空から眺めた経験がない人がほとんどで「空から世界遺産の古墳を見たい」と要望があり、検討した結果「おおさか堺バルーン」を実現したと聞きました。ここで安全性などの議論が交わされたようですが、「堺市民の要望に応えてやってみる」ことで実現したようです。もう反対意見の声が高く「やめましょう」となっていたら実現できなかった企画です。
説明してくれた方は「果たして堺市と和歌山市では市民性が違うので、和歌山市で実現できるか分かりませんが」と前置きしてくれての説明でした。地元の要望と観光施策として、空からまちを眺める体験は有効だと思います。デジタル化が進んだ現代、観光地で物足りなさを感じるのは「上空からの視点」です。ドローン撮影した映像は、人の視点と異なる視点からの景色を見ることができるので新鮮に映ります。直接、空から仁徳天皇陵や和歌山城を眺めることができたら、上空の景色が実体験になるので観光コースになり得ます。堺市の取り組みは和歌山市の観光施策を考えるうえで参考になるものです。
観光はつくるものの視点で言うと、今日、マイアミから写真が届きましたが、和歌山市の海水浴場とマイアミビーチの連携です。世界のリゾート地であるマイアミビーチと和歌山市の海水浴場が何かの連携ができるなら、それだけで和歌山市の価値が上がります。和歌山市にはきれいな5つの海水浴場がありますが、全国はもとより関西にも知られていないように感じます。マイアミビーチと連携できる海がある和歌山市をアピールできたら、全国から観光客が訪れるきっかけになります。今ある観光地を磨くことは、観光地をつくることになります。これは是非とも取り組んでみたい計画です。
後は人材不足から低下しているサービスレベルです。県内宿泊業としてサービスを低下させることなく、日本流の「おもてなし」を提供することも検討すべきです。コストを掛けずに対抗するには、和歌山市の観光に係る人たちの「おもてなし」の氣持ちです。ここも注力すべき課題であると認識しています。
今まで以上の光熱費と物価高、そして人件費の上昇を考えると、益々宿泊業の経営は厳しくなります。ホテルではボイラーを使用している場合の重油価格と電気代を抑えることが必須ですが、これを抑える実効性のある対策はありません。ボイラーを置き換えるには一気にコストがかかりますから現実的ではありません。地方自治体では補助制度もありませんから、自助で解決するのは難しいのです。インバウンド観光は客を誘客することと付加価値をつける以外に売り上げを増やす方法はありませんし、しかもコスト負担を抑える必要があるので、和歌山県内の宿泊業で対応できるところは少ないと思います。
物価上昇局面における宿泊と観光を考える会議で、学ぶべきことはたくさんありました。


