陳さんと勝太郎講演会
陳さんと勝太郎講演会
台東縣から来てくれた陳さんの講演会「陳さんと勝太郎」を主催しました。陳さんは2016年に菅宮勝太郎氏の存在を知り、その功績に感銘を受けて以降、台湾と日本との友好関係を築いています。台東縣成功鎮在住で、その地は戦後、日本人の菅宮勝太郎氏が赴任していました。1922年に台東縣に赴任した勝太郎氏は支庁長に任命され、インフラの整備や道路、港湾などの建設を行い、台東縣を東海岸最大の漁港へと発展されました。その後、日本への異動を命じられましたが辞職して台東縣に留まり、終戦後も台東縣の発展に務めています。
1932年に自宅を構え、現在「菅宮勝太郎宅」として公開されています。
私も一昨年の10月に台東縣と「菅宮勝太郎宅」を訪問した経験があります。親切に案内してくれたうえ、帰国の時は心からの見送りをしてくれました。その時「再び会いましょう」と約束していたこともあり、今回、講演会のため和歌山市を訪ねてくれました。
また台中から講演会のために来日してくれた劉さんの絵画も展示し、来場者に楽しんでもらいました。そして講演会は私が司会を担当しました。挨拶の要旨は次の通りです。
こんにちは。今回、陳さんの講演会にお集まりいただき感謝しています。友人の陳さんとは、白浜空港、南紀熊野リゾート空港と台東縣をチャーター便で結ぶ取り組みを行っています。一昨年の10月に白浜町の立谷さんと一緒に、この案件で台東縣を訪ね、そこで陳さんに台東縣政府との懇談を調整してもらいました。以降、チャーター便の就航について交渉を継続しています。
またコロナ禍でマスクやグローブの入手が困難な時期がありました。マスクは一箱3,000円でさえ入手困難な時でした。和歌山県が医療施設などで困っている時、陳さんが台東縣政府に働きかけてくれたことで、和歌山県に大量のマスクやグローブ、雨カッパなどを届けてくれました。和歌山県の恩人とも言うべき人です。
日本と台湾との友好関係に尽力してくれている陳さんが、台東縣のインフラ整備に尽力した日本人を紹介してくれます。現在、国際社会は紛争で混乱していますから、戦後台湾の復興と平和に尽力した日本と日本人の姿勢は参考になると思います。そしてその友好関係を継続してきた陳さんのような人がいるから友好と平和を維持できているのです。今の国際社会の紛争を見ていると何もできないように思いますが、一人の人が友好関係の維持に尽力することで、世界の平和につながることも学びたいと思います。
以上の紹介を行い、陳さんの講義に入りました。
陳さんが菅宮勝太郎氏を知ったのは、偶然、たくさんの古い写真を受け取ったからでした。
昔台東縣の街の整備に尽くしてくれた日本人と関係のある人々が写っていた写真を預かり、どうしようか迷いました。知らない人の写真を私が持っていてもごみになるだけだ。写真を物語にするためには写真に写っている人達が誰なのか。勝太郎とどんな関係であったのかを調べる必要がある。どちらを選択するのかとても迷ったのです。
導いた結論は「写真の人達を調べよう。判明した時はその人を訪ねて勝太郎さんの話を聞いてみよう。そうすることで写真が物語になる」ということでした。
しかし実際に写真の人物を調べるために心当たりを訪ねても、軽くあしらわれたり、軽蔑や屈辱されたりしました。私は「何故、そんなことを言われなければならないのか」と思いましたが、やりかけたことはやり遂げなければ自分じゃないと思ったのです。挫けることなく人を探して聴き取りを続けたことで、一人ひとりの物語があったことが分かったのです。
分かったことは勝太郎さんを知る全ての人は勝太郎さんを尊敬していたことです。もし勝太郎さんが地元の人に酷いことしていたら、私が訪ねても地元の人は話を聞いてくれないと思うし、話がきっかけに勝太郎さんのために集まってくれないと思います。勝太郎さんのお孫さんが台東縣に来たとき、勝太郎さんに恩があるからと言った地元の人たちが集まってくれましたが、私はその物語に感動しました。私はこの温かい物語を語り続けたいと思って東京や台北で講演を行ってきました。
現代、多くの人は利益のためのつきあい、利益を得られなくなるとつきあいをしないで、忘れてしまっています。私はそんな人を許さない。恩を受けたら忘れずに返すべきだと思います。それがないから紛争が起きていると思います。
私は大学教授でも学校の先生でもないので話は下手ですが、一所懸命に勝太郎さんのことを語りました。皆さんに届いてくれたら嬉しいことです。
とても上手な日本語で約120分講演をしてくれました。勝太郎氏の功績が日本と台湾との友好関係を今につなげていることを知りました。その後、この物語が歴史の間に埋もれていましたが、陳さんが行動によって人と人をつなぎ現代に蘇っているのです。今回、陳さんと和歌山市の人がつながりました。これもご縁であり新しい物語です。このご縁が両国の友好関係につながり、絆を深めることで平和が維持できると思います。母国語でない日本語で約120分も熱い思いで講演してくれた陳さんに深く感謝しています。
その他
- いちご狩りイベントに参加して挨拶をさせてもらいました。約100人が集まりいちご園を貸し切りで使わせてもらったことに感謝しています。
- 小池さんの卒寿のお祝いの集いに参加しました。意見さんからの指名により、司会を務めさせてもらいました。宮井さんのピアノ演奏も楽しむことができました。


