今年最初の令和会に出席しました。今回は国防や外交をテーマとして話し合いを進めました。一つは台湾有事、一つはアメリカによるベネズエラ攻撃の問題です。
これからの世界で論点となるのは、アメリカのベネズエラ攻撃はウクライナ戦争や台湾有事のように大国による「力による現状変更」の考え方の是非と、軍事衝突が発生する危険性が現実のものになろうとする点です。これまで少しずつ築いてきた平和に向かう世界秩序が崩れそうになっていることが問題です。
今回の事件は事実確認がされていないことからどちらが正義なのか分かりませんが、どちらも正義があり、どちらも正義ではないかもしれません。
令和8年1月8日付の配信「alterna」では「アメリカの論理」と「国連・国際社会の論理」を説明していますので、以下に引用します。
- アメリカの論理:「正義の追求」と「自衛の拡張」
アメリカ側の説明の論拠は、「マドゥロ政権中枢は国家機能を悪用した麻薬カルテル(カルテル・デ・ロス・ソレス)であり、2020年に米司法省が懸賞金を懸けて起訴している。今回の作戦は他国への侵略ではなく、国際的な組織犯罪に対する警察権の行使である」という点です。
さらに、アメリカは国連安保理において、麻薬の流入や難民による国境危機を「アメリカに対するハイブリッド攻撃」と定義し、それに対する自衛措置という正当性にも言及しています。
- 国連・国際社会の論理:「主権絶対」と「手続きの欠如」
これに対する反論は、たとえ相手が犯罪者として訴追されていても、同意なく他国の領域で武力を行使し首脳を拘束することは、国連憲章第2条4項(武力不行使原則)への重大な侵害であるというものです。
国際法上、例外とされる「安保理決議」も「急迫不正の侵害に対する自衛権」も今回は成立し難い状況です。多くの国は、マドゥロ政権の実態を知りつつも、「手続きの破壊」がもたらす無秩序を恐れています。
「大国が法を無視し始めたら、中小国には生き残る術がない」というリアリズムが、非難の背後にあるのです。
この比較を読むと、どちらが正義なのか判別することは難しいところです。物事には両面があり、一方からだけ見ることや、情報が限られている中でどちらが正義なのかを主張すること、或いは背景を調べないで受け売りで説明することは正しいことではありません。
主張するためには、両方の主張を確認することや、一次情報に近い情報を正しいルートで入手すること。そして歴史的背景や国情を調べて考えることが前提です。現時点で一次情報に近い情報も得られていないので、どちらがどうだとは言えませんから、アメリカと国際社会、そしてベネズエラの正義を比較して考える以外にありません。残念ながらベネズエラかが発信している情報は殆ど得られませんから、今現在では全体が見えてきません。
令和会でも「私の情報レベルは報道によるものと一緒なので正しい分析はできませんが」という前提で説明や見解が示されました。ただ、この事件で世界は新しい局面に移らざるを得ないとの結論に至りました。
大国と言われているアメリカ、中国、そしてロシアが国際社会の正義に基づかずに行動しても、大国以外には止める術がないということです。自然科学のような明確性がないにしても、歴史が築いてきた一定の秩序に基づく正義はあったと思いますが、それかリセットされて新しい価値に基づく動きを容認すべきかが論点になるように思います。
わが国の防衛の専門家を交えての勉強会になりました。


