活動報告・レポート
2025年11月13日(木)
フロリダを振り返る

帰国したので今回の訪問を振り返りました。

  1. フロリダを振り返る

    和歌山県フロリダ州姉妹県州提携30周年記念事業の時、フロリダ国際大学の先生が「明日は何時にホテルを出発しますか」と質問があり、「午前5時に起きて7時にはオーランドに向けて出発します」と答えました。

    そうしたところ「それはとても残念ですね。マイアミに来た限りはマイアミのきれいな朝日を見て欲しかったのですが。起床が午前5時ならマイアミビーチの朝日が見られたのですが。仕事とはいえこんなに駆け足でマイアミを発ってしまう人がいるのですね。ではもう一度ゆっくりとマイアミに来てください」と答えてくれました。

    その一日前は「マイアミに来てビーチを見ないなんて有り得ないです。ここに来てそんなことでは絶対にダメです」と話がありましたし、マイアミ国際大学の先生からはマイアミの朝日を見てくださいと話があったように、マイアミは海と太陽が素晴らしい観光資源です。

    フロリダを振り返る

    そこにショッピングと食材が豊富な食事があるので、まさにリゾート地です。マイアミの持つ観光資源は他で真似できるものではありません。この観光資源を生かし、金融都市を築き、全米からの富裕層向けの住宅やコンドミニアムを建設し、居住者を増やしていることが、一時寂れていたマイアミを再生させた成功要因の一つです。観光地であり富裕層が暮らすまちであり、元気な方々が快適に過ごせるリタイアメントシティです。

    またマイアミを舞台にした映画はたくさんありますが、「マイアミ・バイス」や「バッドボーイズ」が有名で憧れの地となっています。

    フロリダを振り返る

    そんな時、突然「マイアミ午前5時」が流れてきました。松田聖子さんの懐かしい曲ですが、聴いてみるとマイアミビーチにとても良く似合った曲です。調べてみると「マイアミ午前5時」はマイアミを舞台に作詞したものではないようですが、マイアミの響きが良いので歌詞に取り入れたということです。しかしこの曲から浮かぶのはマイアミのアールデコ地区の通りでありマイアミビーチです。

    アールデコとは1920年代と1930年代のフランスで流行した建築スタイルで、マイアミビーチ付近の通りに現存している通りのことです。アールデコ地区はマイアミビーチの5丁目と23丁目の間のことで、有名なオーシャンドライブ、コリンズアベニュー、ワシントンアベニューの通り沿いの建築物を指します。アメリカの映画やドラマの舞台になる美しい地区で、古い時代に迷いこんだような、しかし色鮮やかで映画の中の世界に入ったようにも感じます。

    フロリダを振り返る

    それもそのはずでアールデコ地区は建築物の保存地域であり、リノベーションが基本です。壊して建て替えることはできないので、古くても新しいホテルやコンドミニアムが建ち並んでいるのです。このアールデコ建築ができた背景にはエレベータの発明があると聴きました。エレベータが建築を一変させたと聴きましたが、確かにエレベータがあることで現代のビルなどの建築が可能になっています。エレベータがなければ高層建築物もホテルもマンションなど高い建築物はできなかったと思います。

    またアールデコは鉄と石を組み合わせた強さと美であり、台風の影響を受けるマイアミに適した建築構造だったのです。

    さて「マイアミ午前5時」の舞台はどこかの議論は無意味であり、歌詞はまさにアールデコ地区そのものであり、この地区での若い時代の美しい出逢いなどを生き生きと表現していると思います。「マイアミビーチは地元の人が多いのですか。観光客ですか」と尋ねたところ「ほとんどが観光客です」と答えてくれたように、今も世界中からの観光客でアールデコ地区は活気に満ちているようです。

  2. フロリダを振り返る

    アメリカの物価は高くて驚きます。全て日本の2倍以上の感覚ですが、原因の一つが円安ドル高です。1ドル150円を超えていますから日本の最盛期を知っている人が高く感じるのは当たり前です。これが1ドル120円ぐらいまで戻せたら、今ほど高く感じないと思います。日本経済の実力は1ドル120円ぐらいだと思いますから、国力回復のため、物価上昇を止めるためにも早く円安の是正が必要だと考えます。

  3. 勝ち目ないところに投資するのはビジネスではなくバカと言います。つまり外部から投資を呼び込むには地元が整備されていて魅力があること。魅力を作るにはまちづくりに対して地元の投資が前提で、それがないのに外部からの投資を求めるのは余りにも甘い考えです。

    外部資本が和歌山県に投資を考えるのは勝ち目があるからで、投資意欲を大事に受け入れるべきことは、考える余地もないほどの有難いことです。

    前提として行政か地元の資本が、地元のインフラ整備やまちの環境整備に投資しない地域に外部資本の投資はないことを理解してまちづくりを進めるべきです。マイアミはそんな環境を築き、外部からの投資を受け入れたことで再生できたと現地を見て思いました。