活動報告・レポート
2025年11月7日(金)
メキシコ和歌山県人会訪問

知事および和歌山県議会の一員として、メキシコ和歌山県人会40周年記念式典出席のためメキシコシティを訪れました。メキシコを訪れるのは初めてですが、基礎知識として標高2,000メートル以上の位置にあること、日本と比較して治安がかなり悪いこと、アメリカへの不法移民の問題があることなどがあります。あまり知らない国ですから、興味を持って参加しました。

式典への参加は和歌山県知事を始め、和歌山県議会議員6名、和歌山県国際交流協会を始めとする方々です。和歌山県議会から伊丹空港に向かい、そこから成田空港に到着。成田空港からメキシコシティに向かいました。移行時間は約12時間で、久しぶりの長いフライトでしたが、メキシコシティに到着するとメキシコ和歌山県人会の役員の方が出迎えに来てくれていたので市内にスムーズに入れました。

メキシコ和歌山県人会訪問

到着後、私たちが向かったのは、メキシコシティで日本語を教えている中央学園です。中央学園は和歌山県出身者が創立した学校で、今年で81年目を迎える長い歴史を有しています。メキシコはスペイン語が母国語ですが、ここでは日本語学校としてメキシコと日本、そして和歌山県に長年貢献してくれているのです。

最近は円安の影響からかメキシコから日本へ訪れる人が多く、日本語を学ぶ人も継続してあるようですが、逆に日本からメキシコに来る人が少なく、日本語講師が不足しているようです。

メキシコ和歌山県人会訪問

さて、日本とメキシコの友好関係は江戸時代から続いているように、メキシコは親日国の一つです。不平等条約改正に尽力したのは元外務大臣の陸奥宗光伯ですが、明治時代に入って明治政府の懸案であった列強との不平等条約を最初に改正したのはメキシコでした。当時、メキシコは先進国の一つで、日本にとって不平等条約改正の先駆的役割を果たしてくれた国です。メキシコが不平等条約を改正してくれたこともあり、順次、列強との条約改正につながっていくことになります。

メキシコ和歌山県人会訪問

ところでメキシコシティはメキシコ最大の都市であり、近年は著しく経済発展をしています。首都での所得水準も高く、日本の大都市に匹敵するような巨大都市です。メキシコ和歌山県人会の方に聞くと、「メキシコは治安が悪いと言われていますが決してそんな事はありません。首都と地方都市などの場所や企業の所得水準によって異なるため、治安の問題は一括りに言えるものではありません。メキシコシティは経済発展が著しくアメリカが言っているような治安が悪い後進国ではありません。

メキシコシティの中心部は安心できますし安全な都市です。ただしブロックが異なると一気に治安が悪くなるので、夜の外出はお勧めできません」と聴かせてくれました。どの国も同じですが、経済や治安は一括りで表現することはできません。発展している都市もあればそうでない都市もありますから、一括りに捉える事は事実誤認だと言うことです。

日本も東京とそれ以外の都市および地方都市との間に経済力に差があるように、メキシコシティとそれ以外の都市には経済力の格差があるようです。

メキシコ和歌山県人会訪問

さて、メキシコ和歌山県人会40周年記念式典は明日開催されますが、参加者は約120名だと伺っています。かつて和歌山県からメキシコに渡りこの地で懸命に働いた方々の子ども達は現在日系三世の方が中心だそうです。その方々たちが和歌山県とメキシコとの友好関係に今も強く尽力してくれています。世代が三世や四世になると日本語を話せない方もいますが、ルーツが日本であり和歌山県人であることを知っていて「和歌山県が大好きです」と話してくれたことは嬉しいことです。言葉も文化も仕事も習慣も違うメキシコで、たくましく現在の地位を築いてこられた先人たちの生き方に感謝するばかりです。

メキシコ和歌山県人会訪問

今回のメキシコ訪問を、これからの和歌山県とのさらなる友好関係につなげていきたいと思います。本日、皆さんとお会いできたことに深く感謝しています。