和歌山県で期待できる施策について会議を行い議論しました。この会議は「2年先に和歌山県の財政調整基金が底をつき財政難になる恐れがある」ことを県が緊急事態宣言で発しているにもかかわらず、危機を乗り越える方針を示せていないことを懸念している方々がいることから、県の財政を立て直すには経済対策が何よりも必要だとの意見に基づいたものです。
地方における経済対策とは税収を上げること、つまり基幹産業や大型の企業誘致を実施することに尽きます。つまり大型の民間投資を和歌山県に呼び込むことが何よりも重要で、この取り組みをしないことには県土発展も財政に関しても希望はありません。
では和歌山県に進出してくれる大型投資を伴う進出はあるかと言われると、現在のところ「ありません」と言うことになります。この問いは企業立地や企画部と協議をしている中で、言明できる企業は「ない」ことから明らかです。もちろん企業誘致は諸条件が絡んでいるので水面下で行うものであり、表面化するには時間を要しますから「全くない」とは言えませんが、今までの協議の中で1,000億円規模の大型投資はありません。長崎スタジアムシティやエスコンフィールドのような大型投資はないということです。
企業誘致活動は行っているもののこれほどの大型案件はなく、和歌山県を再生できる、希望を持たせるものはないということです。この現実に対して県民の皆さんは「和歌山県の将来が見通せない」と言っているのです。
DXやGX、そして宇宙関連産業の誘致に取り組んではいるものの、現時点において大型案件で具体化しているものはありません。何故ならどの県でもDXやGXの誘致に取り組んでおり、和歌山県が優位に進められる案件ではないからです。宇宙関連産業は和歌山県が優位にありますが、宇宙関連産業を集積するには至らないと思います。それは人材の確保、住環境、教育や医療、そして株主への対応などの問題が絡んでくるので、実現させるのは簡単ではありません。
では「和歌山IR」はどうかと言うと、和歌山県への立地条件から可能性はあります。「そんな良い物なら全ての地方自治体が名乗りを上げるはずだ」という意見がありますが、全く統合型リゾートを理解していない人の意見です。リゾートですから、基本的にはリゾート地を有することが条件です。しかも立地可能な場所があり、事業者がいることが条件になりますから、条件に適合する地方自治体は絞られてきます。やりたくてもやれない地方自治体は名乗りを上げられないのです。事業者は民間企業ですから投資をしても回収できない県や場所で名乗りを上げることは絶対にありません。
つまり地方都市である和歌山県が候補地になれることは前回の取り組みがあったからであり、何も過去の土壌がなければ名乗りを上げることもできないのです。前回、「和歌山IR」に関して区域整備計画を策定した経験がなければ、今回も対象外で可能性はゼロだったと思います。ところが仁坂知事が取り組んでくれたお陰でその時の経験と人材が残っているので協議が可能となっているのです。海に沈む夕日と自然に囲まれて、JRや南海電鉄が乗り入れ、関西空港が近接しているのでビジネスや観光客が集まる和歌山市なので誘致することが可能なのです。つまり統合型リゾートに適した県は少ないということです。立地条件を生かした企業誘致を行うことが大事なことです。
しかも見込まれる税収は年間約400億円と試算されているので、財政難の和歌山県がやるべき取り組みです。他に大型の税収増が見込まれるなら万が一にでも「やらない」という選択肢もありますが、大型の投資案件が「ない」状況から考えると「やらない」という選択肢はありません。
和歌山県の現在と将来を考える皆さんから「和歌山IR」への期待が集まっています。和歌山県は関西のリゾート県であり日本のリゾートでもあります。期待できるこの取り組みの実現を目指すべきです。


