北広島市にあるエスコンフィールドを訪れました。言うまでもなく北海道日本ハムファイターズの本拠地で、日本で一番素晴らしい野球場と言われています。その評判通り、素晴らしい球場でした。入口のファイターズショップから入り、2階の球場内を歩いていると、「こちらから見ると凄いですよ」と男性が声を掛けてくれました。グラウンドの説明をしてくれた後、「時間があれば案内しますが」と言ってくれるので、案内をお願いしました。男性は「私はエスコンフィールドに毎日通っています。観光客や県外のお客さんで希望する人を案内しています」と話してくれたので、球場内を一緒に回りました。
結論を言いますが、この男性に案内してもらったお陰で、エスコンフィールドの見所を全て回ることができましたし、エスコンフィールドと共にファイターズのことが好きになるほど素晴らしい案内でした。それほど地元愛が強く、観光客を歓迎する心が伝わってきました。北広島市はそれほど大きくない市だと認識していますが、エスコンフィールドに隣接しているマンションは「億ション」だそうで、既に全室完売しているようです。購入した人の特典は「10年間、エスコンフィールドの試合を無料で観戦できることで竣工してから3年が経過しているので、後7年間は無料で試合を観戦できます」ということです。
その理由は、エスコンフィールドと隣接するマンションは地元のデベロッパーである株式会社エスコンが建設したからだそうです。球場前には北広島駅が建設中で、駅は4年後に完成するそうです。またの平面駐車場に大学が進出することになっているので立体駐車場を建設しているところだそうです。
単に球場を建設するだけではなくて街を創っている感じです。街づくりの中に野球場がありホテルやマンションがある。人が集まるので鉄道の駅も作ることになっています。理想の街づくりです。長崎スタジアムシティやSAGAアリーナもプロスポーツを核とした街づくりのモデルですが、このエスコンフィールドも街づくりの理想形ですから、羨ましい限りです。
さて球場は「素晴らしい」の一言で、大谷選手やダルビッシュ選手の壁画や過去に活躍した名選手の紹介などがされています。大谷選手とダルビッシュ選手の巨大な壁画は立ち止まるスポットになっていて、ダルビッシュ選手の顔のところには直筆のサインが書かれています。これは本人が球場を訪れた時、球団が貸し切りにして、その時に書いたサインだということです。
特筆すべきは内野席、外野席、二階席も三階席も、どこからグラウンドを見ても良く見えることです。他の球場で野球観戦したことがありますが、グラウンドの見易さでは一番です。
またレフトのポールも近くで見ることができることや、ブランコ席、ペット同伴席、飲食しながら試合を楽しめる席などもあります。
大谷選手の言葉を記している場所も案内してくれました。壁に刻まれた言葉は「好きなことをより一層頑張れたら、毎日良い一日になるんじゃないかと思っています」です。
ダルビッシュ投手の言葉は「追い込まれれば追い込まれるほど楽しくないですか」です。二人の名選手の言葉はどちらも素晴らしいです。好きなことができる毎日は良い一日に相違ありません。追い込まれて楽しいと感じられる精神力は凄いと思います。名選手の言葉は私たちに力を与えてくれます。最新の設備と共に、こんな言葉を壁に刻んでいる球場は素晴らしい以外にありません。
最上階まで案内してくれたのでお礼をと思ったところ「私は観光客の皆さんに喜んでもらえることが望みです。これまで約150人の方々を案内しましたが、全てボランティアです。何かいただいたらボランティアではなくなります。エスコンフィールドを案内して喜んでもらえることが私の誇りです。何かいただいたら、私の誇りがなくなってしまいます」と伝えてくれました。
偶然出会った男性ですが、本当に素晴らしい人がいたものです。球場の全ての見所を案内してくれ、しかもビューポイントまで連れて行ってくれたうえに写真も撮ってくれたのです。出会っていなければ球場と街づくりに関して、こんなに詳しく知ることはありませんでした。今日、偶然出会ったことに感謝しています。名前も知らせないで「ありがとう。これで北海道を好きになってくれたら嬉しいです」と言って去って行った男性に感謝しています。満足感に浸り千歳空港に向かいました。


