活動報告・レポート
2025年10月22日(水)
和歌山県への企業誘致

大阪市内で「和歌山県への企業誘致について」の会議を行いました。残念なことですが関西圏で和歌山県のポジションは相対的に高くはありません。三都は言うまでもなく奈良県や滋賀県とも差も広がっているように感じます。ではどのように追いつけるのかを話し合ったところ、地域経済と雇用拡大のためには「大型の企業誘致以外にない」ということです。

和歌山市で勤務した経験のある方は「若い頃に働いたことがあるので、和歌山県には愛着があります。和歌山県が元気になって欲しいと思っているので、企業誘致には協力したいと思います」と話してくれました。

ただ「私が感じているのは、関西の中でも和歌山県は極めて保守的な地域だということです。保守的過ぎて他県の良い取り組みや企業進出を受け入れないところがあります。和歌山市の過去からの経緯を知っていますが、大抵の場合、企業進出に関しては反対の声があがります。とにかく企業進出の反対運動が強すぎるので敬遠される傾向にあると思います。

他を受け入れない、進出に反対する保守色が強いことはマイナスに働いています」と言う意見もありました。

またおもしろい意見もありました。それはアメリカの上場企業のことです。

「私の友人が勤務しているアメリカの上場企業ですが、細かな勤務条件がついています。おもしろいのは、出張する時のホテルのレベルです。出張する時のホテルの条件に『プール設備があること。トレーニング室があること。一泊の宿泊費が10万円以上であること』などの細かな条件があります」ということです。意味が分からなかったので質してみたところ「アメリカの大手企業の雇用契約では普通だと思います。従業員が外国に出張する場合、良い環境で仕事をしてもらいたいので、こんな条件がついているのです。そのため関西に出張する時は、大阪市内のフォーシーズンズやザ・リッツ・カールトンに宿泊しています。和歌山市にも宿泊したいと思うのですが、条件に適合するホテルがないので和歌山市で仕事をする場合は『日帰り』になります」ということです。

また単身赴任の場合、一週間に2日の休日は帰宅しなければならないという条件があります。これは土曜日と日曜日は仕事をしないことが決められているので、帰宅しなければならないというものです。

「会社は毎週、往復の交通費を負担することになりますが、それなら会社近くに宿泊する方が安く仕上がるのではないですか」との質問に対して「お金の問題ではなくて、休日に仕事をしない環境にすることが目的です」ということです。仕事の環境を整えることやワークライフバランスを徹底しています。

もちろん、それだけの条件を提供しているので、従業員には「仕事の成果が求められる」ことになっています。外国企業の出張が和歌山県に少ないのは、ビジネス需要が少ないことに加え、このような条件があることも要因の一つかも知れません。

そう考えると世界とビジネスができる環境になっているのか、視点を変える必要があります。保守的な考え方でいると世界基準を採り入れられませんし、「和歌山県には我々のルールがある」というような考え方があるなら「相手にされない」ことにも成り兼ねません。否、一部ではそうなっているかも知れませんが、開かれた和歌山県をアピールする必要があります。

和歌山県が東京都のような存在であれば、決め事や自分たちのルールを少しは聴いてくれるかも知れませんが、残念ながら日本における和歌山県の存在は大きくないので、和歌山県の主張やローカルルールを聞き入れてくれることはありません。「それだったら相手にする必要はない」と思われることになります。弱者が強者に勝つためには、先に取り組むことと判断と行動のスピードに尽きます。資金力や投資案件などの体力で劣っているのだから、スピードで先駆けなければ勝つことはできません。

とにかく県外の誰からも言われることは「判断が遅い」「スピード感に欠ける」「やるのか、やらないのか分からない」「他の動向を見てから」などの言葉です。これらの言葉は全て手遅れになるものばかりです。

とにかく将来の希望を感じられる施策をしなければ、県民の皆さんからも諦められてしまうので、今やれることに全力を尽くしています。