活動報告・レポート
2025年10月21日(火)
AI企業

AI企業の経営者と会議を行いました。この会社は準備期間を経て3年前に立ち上げていますが、専門は「AIを活用した医療や健康増進」です。但し、この分野は専門的であり、膨大なデータを要するためデータ収集中であり、事業化までには時間がかかります。そこで企業からの依頼を受け、企業が必要とする分野の解析や広報、営業や動画作成などAIのプログラミングを行い納品しています。技術はありますが企業の要望をプログラムに落とし込み製品化するため企業担当者と連携をしながら作業を進めています。

クライアントはほぼ東京の企業で、地元、和歌山県の企業からの依頼は一件もありません。

このことに関して「和歌山県は相当遅れています。AI導入の意識が低いのか、なくても事業活動ができると思っているのか分かりませんが、感覚として東京から5周以上遅れていると思います。5周も遅れていることは追いつくことが不可能な差だということを認識すべきですが、それも思っていないようです」ということです。

東京で感じる熱気と何も変わらない和歌山県の差は、本当は5周どころではないと思います。企業がAI導入するか活用するか、この一年が分かれ道です。導入しない企業に将来性は期待できなくなること。それに氣づくべきですが和歌山県で講義を行っても関心はかなり薄いです。参考価値程度ですが、和歌山市内の経営者20人に「有料のチャットGPTを使っている人はいますか」の質問に対して「使っている」と答えた人は一人だけでした。

会社で使う必要性がなければ使わなくても良いのですが、使わなくても問題はないとの意識が怖いと思います。東京の市場をライバルと争っている会社で使っていないところはありませんから、その意識とレベルの差に驚いています。東京と和歌山県の意識や技術の差、そして導入のための資金の差は有意な差をはるかに超えています。ここに保守的な考え方の弊害が出ています。伝統とは護ることに加え先進性が必要です。社会の進歩に抵抗しても無意味なのは、進歩することが伝統を護ることになるからです。時代に即さないで消えてしまえばこれまで築いてきた伝統が根本からなくなってしまいます。

「AIに氣づくと楽しみがあります。和歌山県は一体何をしているのだろうと思います」という話も出てきました。この分野でも先進性に欠けるように思います。

意識の差が行動の差となり、やがて追いつくことの出来ないほどの大差となっていきます。日曜日も東京で企業でのAIの導入やAI人材の採用のこと、そしてAI企業のM&Aの話を聞かせてもらいましたが、東京と和歌山県との差を想わずにはいられない、今日の会議での話となりました。

とにかく差に氣づいていないことが恐ろしいことです。多くのことは「なんとかなる」と思いますが、社会の競争において資金力と資金投入の差は「何ともならない」のです。会社の将来を見据えて資金を投入してAIを導入した企業と、AIの講習費用でさえケチる企業との差は絶望的です。和歌山県の場合、圧倒的に後者が多いようなので、意識と資金の差を感じました。

大型民間投資の受け入れの意識や「和歌山IR」の誘致を躊躇しているのと同じように、AIの導入も積極的とは言えません。地方が進めている事業や仕事のDX化は小学生レベルの導入を検討しているものであって、事業へのAIの導入まで検討しているところは少ないと感じました。DX化とAIの導入とは全く別次元のもので、当然デジタル化をしていることを前提として事業のAI化があります。感覚的には言葉が噛み合わない、意識の違いが顕著ということになります。

日曜日のスタンフォード大学研究者と、本日のAI企業の経営者との会議を行ったことで、世界と日本の大きな差、東京と和歌山県の大きな差を痛感しました。差と言うよりも高い壁で隔てられている感じがします。

ところで会社から和歌山市を見渡すと、普段と見え方が違ってとても綺麗でした。

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