活動報告・レポート
2025年10月15日(水)
建設委員会視察
建設委員会視察

和歌山県議会建設委員会の初日は県庁から海南市に移動し、和歌山下津港海南地区直轄海岸保全施設整備事業の現地視察を行いました。

この整備事業は、国が海南市を津波被害から守るため、南海トラフ地震に備えた津波対策事業です。午前中に現場を訪れ、令和7年4月1日に竣工した日方水門を登りました。この水門は高さが50メートルもあります。南海トラフ巨大地震などの影響によって津波が発生、到来した時、この水門を閉じることで背後にある会社や市民の命と安全を守ります。この工業地域全体を護岸改良や堤防の改良、そして水門を設備することによって産業活動と市民生活を護ろうとする事業です。

建設委員会視察

今回、竣工した日方水門の階段を上り、水門の上、50メートルの高さから海南市を見渡しました。階段を上り下りするのですが、狭い階段と上った地点の狭さから50メートル下の地上を見下ろすと、巨大な水門を整備したことが「効果がある」と、そのインフラ整備の必要性を感じました。

なお現在、整備中の箇所もあり、南海トラフ地震の対策としてまちの安全、生活の安心をさらに強化することになります。国や県、そして地元市は、私たちが普段気づかないところでインフラ整備を行い巨大災害に備えているのです。この事業の取り組みはまちの安全を確保するものであると頼もしく思いました。

この社会は、私たちの知らないところで誰かが常に安全と安心を築いてくれていることを感じました。自分だけでは護れないことを社会全体が取り組んでくれていることを知ると、この社会と関係してくれている皆さんに感謝したい氣持ちになります。

さて県内視察を終えた後、県外視察のため伊丹空港に向かい、そこから「阿蘇くまもと空港」に移動しました。

建設委員会視察

熊本県に到着した後、市内に入り宿泊地がある商店街が賑わっているので、地元の方に話を聞きました。やはりTSMCの進出効果で雇用が増え、地域経済が好調だそうです。熊本市内のアーケード商店街を歩くと、平日にも関わらず高校生を始めとする若い人やビジネスパーソンが歩いて賑わっていました。

商店街に活気を感じられるのは人通りが多いこともありますが、カフェやファッション空間、ファーストフードやドラッグストアなど、私たちが日常生活で望んでいる空間があるからだと思います。和歌山市のぶらくり丁よりも商店街の幅が広く、また距離も長いので、何でも揃う大型のショッピングセンターのようでした。集客できている理由はそこにあるように思います。

続いて同じ九州の佐賀県の話を聞きました。佐賀県には九州電力の玄海原子力発電所があり、発電所の定期点検時には地元企業の仕事が増え、また県外からも定期点検事業者が多数訪れるので、商店街や飲食街が賑わっているそうです。やはり企業があると人が増え、地域経済が循環することを、熊本県や佐賀県の企業進出が証明しているのです。

人口問題や雇用問題は、やはり経済問題が基本になります。大型企業進出や民間の大型の資本投資による経済効果は立地市に人を呼び込み働く人が増えるなど、まちを再生させています。また熊本地震で被災した益城町は復興が進み、震災後の人口は約1,500人が減少していたのですが、今は元通りに回復しているということです。それは菊陽町と近いことも要因だということです。いうまでもなく菊陽町はTSMCが進出したところで、人口も雇用も増えています。近接する益城町に人が戻ってきて不思議ではありません。震災からの復興と共に大手企業進出によって仕事ができたことも人口増につながっています。民間企業の大型投資によるまちづくりの成果を学べる事例です。