台北とオンライン会議を行いました。今回のテーマは「古道の友好関係」です。和歌山県には熊野古道、台湾には「太魯閣(タロコ)峽谷」内にある「錐麓古道」があります。この古道には、世界から年間20万人から30万人が訪れている人気の古道だと説明してくれました。理由は渓谷を歩くコースの景観に魅力があり、夜は星がきれいに眺めることができるまで、昼夜間とも楽しめる古道であること。マラソンが開催されていますが、このコースはアップダウンがあり楽しいことも人気の要因だそうです。
加えて戦争の跡、防空壕などが公開されているのですが、日常で観ることの出来ない歴史的意味のある場所を訪れることができることも人気の秘訣です。
ハイキングと星を眺めること、景観と歴史の旅はスローライフにぴったりで国内はもちろんヨーロッパからも観光客が訪れています。
私は台湾にあるこの古道のことは知りませんでしたが、2日前の花蓮縣とのオンライン会議で知りました。世界の古道で有名なところはスペインの巡礼の道であるサンティアゴ・デ・コンポステーラの道、和歌山県の熊野古道が双璧ですが、台北の観光関係者によると「錐麓古道」も人気なので友好関係を築けないかと言うことです。
振り返ると熊野古道とサンティアゴ・デ・コンポステーラの道の姉妹道提携は、南紀熊野体験博開催時に提携しました。当時、古道同士の姉妹提携は世界で初めてのことであり、現在もそうだと思います。どちらも歴史の道であり巡礼の道であることに価値があり、後に世界遺産同士の道の提携ということに発展していくのです。
尚、二つの古道を歩く人に対してスタンプラリーを実施しています。二つの古道の「共通巡礼手帳」があり、一方は熊野古道、もう一方はサンティアゴ・デ・コンポステーラの道のスタンプ台紙となっています。活用方法は、二つの古道に設置されているスタンプを集め、歩いた道のりを記録していきます。 熊野古道での巡礼を達成するためには、熊野本宮大社の札所の横にあるスタンプ台でスタンプを押し、サンティアゴでの巡礼を達成するためには、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂の近くにある巡礼事務所で巡礼証明のスタンプを押すことになります。
熊野古道とサンティアゴ・デ・コンポステーラの道の両方の巡礼を達成した人には「二つの道の巡礼者」限定ピンバッジを受け取ることができます。台北の観光関係者もこの「巡礼手帳」を持っていてオンラインの席で見せてくれながら「熊野古道と錐麓古道と共通の手帳を作成すれば、両古道を訪れる観光客が増えると思います」と提案してくれました。
オンライン会議参加者は「今日が二つの古道の友好関係を考えるスタートとなりました。何ができるか考えていきましょう」となりました。
今回のオンライン会議の検討事項をまとめます。
- 二つの古道の友好関係を築くことについて
- 二つの古道共通の手帳を作成してスタンプラリーができないか。
- マラソン大会を通じた交流ができないか。
- 和歌山県と台北の観光関係者が、それぞれの古道を視察することからスタートしたい。
- 台北と和歌山県との友好関係を更に発展させることにつなげていきたい。
以上の課題を出し合って本日のオンライン会議を終えました。次回はお盆明けの開催予定です。
- 和歌山市内で景観条例に反するような太陽光発電の建設の動きを規制することについて意見がありました。地元の方々の意見とする事業者の動きに対応して欲しいとの意見があります。法的規制が難しいことから社会的な規制はできないものか話し合いました。これは南方熊楠が行った社会的規制に基づいたものです。
- SNSによる情報発信と規制とのあり方について協議を行いました。
- 「和歌山リゾート」が和歌山県の将来を決めることについて意見交換を行いました。