現在60歳代の方が「私が学生の時は、和歌山県出身だと言うことが恥ずかしかったです」と話してくれました。その理由は「当時、学生寮に入っていましたが、全国から集まっていた学生は、それぞれ自分の出身県のことを自慢するのです。どの県の学生であっても自分の出身県の歴史や文化、偉人のことをよく知っているのです。聴いていると行きたくなるほどでした。
ところが私は和歌山県の歴史も文化も偉人のことも知らなかったので、いつも『和歌山県は何もないわ』でした。そのこともあって学生の間で『和歌山県は何もない』が広がっていきました。今は和歌山県の良いところを伝えることができますが、当時は何も知らなかったのです。
今、思うと、高校生までに故郷学習が必要だったように感じます。小学校から高校までの授業で、和歌山県の歴史や偉人のことを習った記憶がないのです。もしかしたら習っていたかも知れませんが、全く記憶にないので、私がきちんと授業を聴いていなかったのか、授業の印象が薄いのか分かりません。ただ思うことは、今も同じことを繰り返していないだろうかと言うことです。今の学生には『和歌山県の良いところ』を授業で教えて欲しいと思います。私の大学時代のように『和歌山県は何もない』と言わざるを得ないようなことにはして欲しくないのです。
和歌山県にはいっぱい良い歴史や文化があるので、きちんと教えて欲しいと思います。それに偉人も輩出していますから、偉人の功績も教えて欲しいと思います」という意見です。
私も手術をした経験がありますが、その時、華岡青洲の偉大さを痛感しました。もし華岡青洲が存在していなければ麻酔の活用も大幅に遅れたことになり、医学の進歩や麻酔医の技術に影響したと思います。何しろ麻酔がなければ手術をすることもできませんし、痛みの解消や命を護ることもできません。そんな偉人が和歌山県にいたのですから誇りに思うべきです。やはり子どもに対しての故郷と偉人教育が大事だと思います。
「和歌山県には何もない」と言う人がいますが、最近、首都圏の皆さんから「和歌山県は魅力的な県ですよ」と、具体的な事例を示して話してくれる人が増えています。
多くの人が「それを生かせていないだけ」と言いますが、生かせていないのは大型の投資をしていないからです。どんな観光地でも誘客や投資をしていますし、リゾート地であれば投資をして設備や環境を更新しています。同じ観光資源ではリピート性はありません。
二度目に訪れた時は新しい発見があるだとか、新しい施設ができているなどの驚きが必要なのです。コンベンション大国のシンガポールは「何故、世界のコンベンションを誘致できているのですか」と質問した時「誘致のための予算を使っているからです」と答えてくれました。しかも「日本が使っている予算の数倍は使っています」ということであり、「和歌山県の誘致予算とは比較にならないほど巨額です」ということです。
世界大会や大型で名の知れたコンベンションを誘致するためには、巨額の予算が必要なことは言うまでもありません。巨額の予算をかけずに世界大会レベルの誘致に成功した事例はほとんどないと思います。シンガポールは言うに及ばず、都道府県と比較して予算を使っていない和歌山県に世界大会や巨大イベントが来ないのは当然のことだと言えます。
やはり事業を行うためには、誘致を成功させるためには人とお金に尽きます。和歌山県では「予算がない」とよく言いますが、この台詞がでる時点であらゆる可能性は消えてしまいます。和歌山県の将来の可能性を閉ざさないためにも、人と予算を投入したいものです。「予算がない」の口癖は、もうそろそろ解消させたいものです。
和歌山県として民間と組みながら予算を創り出す取り組みや、巨額の投資を呼び込むことが先決です。それができない限り未来は開かれません。
- 和歌山市観光協会を訪ねたところ、東京から大学生が来ていました。何をしているのか尋ねたところ「和歌山市のことが大好きなので卒業論文を『友ケ島の歴史と観光にする予定なのでヒアリングに来ています』ということでした。職員さんが丁寧に質問に答えていました。明日と明後日も和歌山市に宿泊するようなので、良い論文になることをお祈りしています。
- 核の平和利用に係る幹事会に出席し、今年9月以降の活動について協議を行いました。