北海道出身の方と懇談した時の話です。仕事の関係で関東、中部、関西で生活をした経験を持っているので、和歌山県で感じていることを伝えてくれました。
「和歌山県に来て最も驚いたことは『否定から入る』ということです。市役所に行った時も、仕事で交渉をする時も、必ずと言ってよいほど、相手は『否定から入ってきます』。これだけ否定から入る県や市は初めてです。否定から入るのは『やりたくない』のか『面倒だと思う』のか『こちらの企画が悪いのか』分かりませんが、他の府県で受け入れられ、実施してきたことが和歌山県ではできないのです。
和歌山県だけ特に行政の規制が強いのかもしれませんが、規制が強すぎると自由な行動が制限されるので地域に貢献できると思っている活動ができなくなります。
片桐さんの県議会一般質問を傍聴した時も驚いたことは『否定を前提にしている』ことでした。行政は民意を反映させようとする議員の提案はしっかりと受け止めて、和歌山県の将来を真剣に考えるべきですが、『やりたくないなぁ』という消極的な意思が見えていました。
私が不思議に思ったのは、一般質問で取り上げたテーマに関して、特段、県民の意見を聞いていないにもかかわらず、過去の否定的な少数意見を取り出してきて『交通渋滞を招く』ことや『依存症の危険性』『地元企業が困る』などの答弁をしたことです。私は驚いて『へぇ〜』と思いました。県知事が地域振興の提案に対して『否定から入るのだ』と思いました。恐らく、今の県民の意見を聞くこともなく把握していないと思うのですが、否定したことに驚きました。答弁の中に『前知事と同じ意見』とありましたが、後継者であっても自分の考えを示すべきで『前知事と同じ意見』には更に驚きました。
これまで生活と仕事をした経験のある地域の中には、発展している県や市もありますし、衰退している県や市もあります。希望を感じる県や市があれば、それを感じることのない県や市もあります。外部から感じた和歌山県のことを言う立場にありませんので止めておきますが、ご縁をいただいた県なので希望を感じられる県になって欲しいと思います。
とにかく和歌山県は壁が高くて厚いですね。保守的な県だと聞いていましたが、思っていたよりも壁が厚いので『これは参ったな』と思っています。
そして和歌山県でイベントをする場合、広告や協賛が集まりにくいと聞いていますし、私もそれを感じています。大きな会社が少ないことが原因だと思いますが、地域のために取り組んでいる人や、若い人を育てようとする考えが希薄なように感じます。企業が地域をリードして、得た利益の一部を地域に還元して地域を元気にすることは企業の社会的使命だと思いますが、他の地域よりもそれが薄いように感じます。企業が地域のために建設した体育館やスタジアム、美術館は少ないように感じますし、メセナ活動も少ないように感じます。
もちろん、和歌山県に来てからの期間は短いのですが、頑張っている人が叩かれた事例も知っているので、突出し辛い県民性があるのかもしれません。
しかしこのままでは和歌山県は衰退していくばかりです。何か行動しなければ発展の兆しさえ見えてきません。古い、古い保守に固執するのではなくて、『和歌山県がやるんだ』という先進性が欲しいと思います。とにかく明るく元気を持つことが必要です。もう少し和歌山県で頑張ってみようと思っています」という意見です。
理解できるところがある意見です。和歌山県のためを思って伝えてくれた意見を大切にしたいと思います。尤も、このまま人に伝えると「否定される」ことは分かっているので、私が理解したことを分かりやすい事例に少し書き添えて、皆さんに伝えていけたらと思っています。