活動報告・レポート
2025年7月5日(土)
和歌山県隊友会総会
和歌山県隊友会総会
和歌山県隊友会総会

和歌山県隊友会総会に出席しました。自衛隊のOBで組織している「隊友会」を応援する皆さんと一緒に総会に出席してきました。自衛隊和歌山地方協力本部からは、これまで行ってきた活動と共に現在の課題について言及してくれました。

「和歌山県は南海トラフ巨大地震の可能性が高いと言われています。災害への備えが必要な県ですが、自衛隊から役所に出向または退職者を迎えている人数はお隣の奈良県よりも少ないのです。和歌山県で自衛隊員を迎えているのは和歌山県庁と和歌山市役所だけです。比較はできませんが、南海トラフ巨大地震の被害の大きさは奈良県よりも和歌山県の方が高いと思います。ですが奈良県よりも少ないのです。自衛隊員がいると日常からの意思疎通と情報交換が図れ、緊急時の対応のスピードが違ってきます。危機管理と巨大災害発生時の対応のためにも自衛隊と連携を図ることが大事だと思います。私たちは転勤がありますから、ずっと和歌山県で仕事や生活をするわけではありません。しかしご縁をいただき和歌山県で勤務しているのですから、和歌山県内の危機管理体制を整えたいと考えています。今から体制を整えておかなければ有事に際して万全を期することが懸念されます。和歌山県の皆さんと共通の認識をしておきたいと思います」との趣旨の話をしてくれました。

実に喫緊の課題を明確にしてくれました。組織は人ですから、誰と仕事をするか、誰を知っているかが大事です。仮に完璧なマニュアルがあったとしても、実践するのは人ですから、個人の資質と共に誰を知っているかが大事です。責任者と直接話ができるか、有事に際しての前提条件を共有できているか、コミュニケーションが図れているかなどの人的つながりはとても大事です。

それまで顔を合わせたことのない人同士が巨大災害への対応に際して、電話で話をしても意思疎通が図れないばかりか、組織が違うと文化も異なるので緊急の意思決定ができません。有事に際して迅速な意思決定と決断は最も重要ですから、それができる体制を整えることが危機管理の要諦です。和歌山県ではその体制が整っていないという指摘です。

台湾有事が2027年、2030年代には南海トラフ巨大地震発生の可能性も言われている中、和歌山県の危機管理意識と体制を高める必要があります。自衛隊との連携は当然行うべき第一歩ですが、それらが弱いことに懸念があります。早急に見直すべきことであり、自衛隊と協議をすべき課題です。本日の総会に出席した私たちの共通認識となりましたから、対応に向けた動きを始めたいと思います。

講談師 旭堂南和師
ナームの集い 旭堂南和師 講談

本日の「ナームの集い」で、講談師の旭堂南和師の講談を聞きました。二幕の講談を聞かせてもらいましたが、一幕目は「西行法師 鼓が滝」でした。いきなり講談の世界へと導かれていきました。「ナームの集い」の会場が、講談に出てくる丘の上の古い民家に感じられて、その場にいるような氣になりました。講談師の話は「こんなに講談の世界に住まわせてくれるものなのか」と感じました。

講談はもともと仏教の講話から来ているもので、お坊さんが説法をするときに分かりやすく、眠気が起きないように大切なことを伝えるための話術が原点だと聞きました。その後は軍談に応用されていき、琵琶法師の「平家物語」や「太平記」なども講談です。

講談は「講談師がまるでその場面にいたかのように話すこと」が特長で、リアリティが命となります。尤も戦場に講談師が立っていたわけではないので、作り話の部分が多いのですが、それは歴史小説と同じようなものです。いかに分かりやすく興味がわくように伝えるか目的は同じです。

講談師の話術は凄いものがあり、一気に講談の世界に引き込んでくれるのは前述の通りです。

講談師 旭堂南和師

さて講談の全盛期は幕末から明治の初めであり、この時代の出来事が講談のネタになっています。その後は低迷期に入り、現在も低迷期にあるということです。

しかし歴史書に載っていない物語を伝えてくれるのが古典と言われる講談で、人から人へと伝わってきた物語は、当時の人の行動が生き生きと描かれています。人が生きた歴史が語られることの凄さと、この先も伝えていくことの使命すら感じました。講談は誰かが引き継がなければ途絶えてしまう文化の一つです。

本日の講談は二幕、約1時間でした。これだけの講談を覚えていることと突き刺さる声で1時間も話し続けた体力は凄いと思います。そして和歌山県出身の講談師が、令和7年3月に誕生したことを嬉しく思いますし、地元で育てていくことが、伝統文化を継承していく私たちの使命だと思います。