同僚議員が地域医療の相談に来てくれた問題です。地域医療の問題とは医師と看護師不足のことです。和歌山県内でも和歌山市以外で医師と看護師不足の市町があります。

相談があったのは公立病院のことです。地方の公立病院は町にとって健康と命を護るために欠かせないものですが赤字経営が続いています。この病院は黒字に転換したことはなく、町から補助金を支出して経営しているようです。

そこで数人の医師を退職させる動きがあるということです。病院に勤務する医師が少なくなると他の医師の負担が増えるので、更に退職する恐れがあるということです。また看護師の負担も増えることから退職の動きもあるようです。

「このままでは地域医療は成り立たないので、何とかしなければと思い相談に来ました。医師の退職を止めたいのと、不足している看護師の新規採用の支援をお願いしたいと思います」ということでした。

公立病院の医師や看護師、そして事務スタッフなどの大変さは感じていますし、人員が不足していると思います。公立病院の医師の忙しさは想像以上で、お昼休みもないほどです。ある医師の一日です。その医師の外来診療の日は午前から患者さんがいっぱいでお昼も休み時間はなく、夕方まで外来患者さんの診察を続けていました。「お昼時間がないことにはもう慣れていますが」と話してくれましたが、医師の仕事の大変さを感じることができました。和歌山市でも公立病院の人員不足問題がありますが、その町では更に医療スタッフが不足している現実があるようです。

そこで「公立病院が将来とも存続させるための医師確保と、来年度以降の看護師の新規採用を継続したい。地方の病院に来てくれる人がいるかどうかの問題があるので、直ぐには無理だと思いますが、行動しないことには現状を打開できません。無理でも良いので毎年１人でも良いので来てくれないかのお願いしたいと思います」という相談です。

幸い、和歌山市内には看護学校が数校ありますから、地域医療に関心のある学生がいるかも知れません。数年前に和歌山市への大学誘致で、看護学科の大学が進出してくれたので多くの学生が在籍しています。特筆すべきことは、県内の高校から進学している生徒が多いということです。そのため「それまでは大阪の看護学科に進学していた学生が和歌山市で留まってくれている」ことになっているのです。これが和歌山市の人口減少を抑えている理由の一つであり、県内の看護師不足に対処することにつながっています。

県内の町の公立病院に勤務してもらうことは難しいことは承知で、地域医療のための支援をしたいと考えています。

公立病院がどれだけ市町の人の健康と命を護っているのかが分かると、赤字であっても極力赤字幅を抑えて存続させる必要性と医師や看護師を始めとする医療スタッフの処遇改善も必要だと思います。その重大な責任と使命に比べて医師や看護師の皆さんたちの処遇はそれほど良くないと思います。

相談してくれた元県議会議員は「現状がいけないから直ぐに町に存続を依頼するのではなくて、私たちのやれることは全てやったうえで、町に存続の依頼をしたいと思っています」と話してくれました。