
和歌山大学入学式に出席しました。今年の入学者1,175名を迎え厳格な雰囲気の中で入学式が挙行されました。入学式の学長式辞では「未来を切り拓く知の理念」を新入生に訴えていたことが印象に残りました。
知識を得ることは行動できる素養を築くことであり、知と行動が自分の未来切り拓くことにつながるということです。待っているだけでは自分が思うような未来が訪れないので、自分が切り拓く必要があります。そのための知識を4年間で備えるために大学が存在しているということです。学生が期待する知の探究に必要なものは全て大学で揃えているので、思い切り学ぶことを楽しんで欲しいことを伝えていました。
もう一つは同じ目的を持った仲間が近くにいることです。お互いに切磋琢磨して知のレベルを高めることで、社会に通用する人材になれるのです。加えて短期でも良いので留学を経験して欲しいことも訴えていました。グローバル社会は世界が舞台です。日本だけに留まるのではなく世界を見て知ることで、世界を自分の舞台にすることができます。学生時代に留学を経験できるような支援も行っているので、積極的に相談して欲しいと伝えました。

学長の式辞にあったように、新入生には知識を得ること、仲間と切磋琢磨すること、世界を見ることを心掛けて欲しいと思います。今の若い人もそうですが、これからを生きる皆さんが目指すべき未来の舞台は世界です。世界で通用する人材になって欲しいと思います。
経済学部は設立してから103年の歴史を重ねています。これまで多くの先輩が未来を切り拓き、社会で活躍してきました。103年の伝統は簡単に築けるものではありませんし、どれだけ望んでも、自分一人で築けるものではありません。多くの先輩の知の積み重ねがここに存在しているのです。その証拠に、先輩の卒業論文や修士論文はここに保管されているのでその氣になれば見ることができます。
今の時代から過去の論文を読んでみると「随分古い考え方だなぁ」だとか「今の時代では通用しない理論だな」と思うはずです。時代の進展と共に知のレベルは高くなっているのでそれで良いのです。しかし過去からの知の集積がなければ、現代の知のレベルには達することはありませんでした。進歩は一足飛びに起きるのではなく、あくまでも一歩ずつです。先人たちの知の集積がなければ、現代の知のレベルはありません。卒業論文や修士論文を見たらわかることですが、当時の最先端の研究や文献を引用しているはずです。今となっては、それらの引用も古い時代のものになっていますが、過去の研究を引用して最新の知を求めてきた歴史があります。

これから学ぶ新入生は、自分が研究する分野の、過去の研究や論文を読み引用することになります。過去の研究を引用して自分で結論を導くのですが、先輩たちも同じような作業をしてきたのです。過去からの知の集積があるから、それらの研究や論文を土台として、数年後には皆さんが論文を書いていくことになります。
ここまで書くと分かると思いますが、後の時代になればなるほど知のレベルは高まっていくのは当然のことなので、過去が劣っているのではありません。過去を土台として知を積み上げていくのが学問であり、時代の進歩なのです。皆さんのここからの4年間は、知のレベルを引き上げていく旅とも言えるのです。過去より劣っていれば知の理念に反することになりますから、必ず超えていかなければならないのです。
今日の入学式に出席した雰囲気の中で、こんなことを感じました。
また経済学部支部総会では、支部長として「保護者の皆さんにはご子息、ご令嬢の入学、誠におめでとうございます。大学の先生方は心から歓迎してくれています。同様に私たち経済学部支部では、従来から学生が求めることを支援しています。
過去の実績として学生から要望のあった女子トイレの設置や、全国大会に出場したクラブの支援などを行ってきました。新年度も全国大会に出場するクラブの支援を行いますし、学長が話していた短期留学の支援もできないものか検討していきます。
このことは役員会で諮ることになりますが、大学の意向に沿った形で支援したいと考えています」と、支部総会の挨拶で触れました。
新入生の入学を心からお祝いし、その勉学を支援したいと考えています。
支部総会では令和6年度決算と令和7年度予算案、新年度役員体制案の提案を行い、全ての議案の承認を受けました。新年度も役員一同が研鑽を図り、学生の支援を行いたいと考えています。