市内の会社の方と「賃上げ」を議題として話した時のことです。
社長からは「賃上げの時期になりました。三井住友銀行やダイワハウスなどの大手企業の初任給は今春の入社から30万円を超えるようになりました。また初任給が40万円を超える企業も出てくるなど賃上げが続くと予想しています。これは経済にとっても企業にとって、働く人にとって良いことで歓迎すべきことです。
ところが残念なことに和歌山市内にある私の会社はと言うと、この賃金に追従することは難しいのです。初任給で30万円を会社の体力からして出すことはできませんし、従業員さんのベースアップもしたいのですが、連合和歌山さんが言う水準は難しいと思っています。本当は従業員さんのために大幅に賃上げをしたいのですが、そこまでの資金がないので申し訳ないのですが少しの昇給になると思います。
ただ私の会社だけではなくて市内の会社で初任給30万円を超えるところは少ないと思いますし、5パーセントのベースアップができる会社も少ないと思います。給与を上げたくてもできないことを本当に残念に思っています。
でもこれでは駄目だと思っています。大手企業の初任給が30万円を超えていくと、益々和歌山県出身者が県外大手に就職するようになり、地元に戻ってくれなくなるからです。せいぜい初任給は20万円ぐらいだとすれば、初任給30万円の企業に太刀打ちできませんし、そんな状態が続くと地元で働く人が益々減少していきます。
これではもっと人材が不足していきますし、活力もなく人口を維持することもできません。一企業の業績の問題ではあるものの県政の課題でもあると思います。初任給を30万円も出せる県内企業絵がどれだけあるのか分かりませんが、それほど多くないと思います。
和歌山県の企業活動を活発にしなければ、大手企業との給与格差は更に拡大していくと思いますし、格差が広がれば広がるほど地元に就職する人はいなくなります。会社として人材確保のために、今いる従業員さんの生活のためにも大幅な賃上げをしたいのですが、売り上げと利益を勘案すると、そうはいかないのが歯がゆいところです。和歌山県全体の、少なくても和歌山市全体で企業の業績が上がるような支援策を実行して欲しいと思います。企業だけの頑張りだけで、今以上に大幅に給与を上げることは困難です。全体の底上げを図る政策を期待しています」と話してくれました。
この話が理解できる和歌山市内の中小企業の経済環境です。賃上げを図りたいけれど、大幅な賃上げは見込める状況には至っていません。まして初任給を30万円近くまで引き上げられる県内企業は少ないと思います。
大手企業を誘致することで県内経済を引き上げることや、進出企業が雇用を増やし仕事を増やすことが即効性のある施策です。もちろん進出企業には、地元事業者やお店と連携を図ってもらいながら全体の経済活動を活発にするための協力が必要です。
進出を検討いただける企業に地元事業者との連携をお願いしていますが、多くの企業は「地元である和歌山市の発展なくして事業継続はあり得ない。特にサービス業は地域全体の底上げが必要であり、一人勝ちできる時代ではなくなっています」と話してくれています。
大手企業や他県にこれ以上後れを取らないためにも、大手企業にお願いして中小企業や地元事業者と連携を図っていきたいと考えています。
- 医療ツーリズムや先進医療について話し合いました。医療ツーリズムは外国の富裕層のお客さんを迎え入れることが可能なので実現させたい政策の一つです。残念なことに和歌山市内にはPET検査など、相手方が希望する受け入れ人数が少ないので、現状では医療ツーリズムの実現ができません。PET検査や高品質な人間ドッグの受け入れ態勢を増やさなければ受け入れできないのです。課題に対応するのは簡単ではありませんが、専門家の知恵を借りながら検討したいと考えています。
- 今秋開催予定のイベントについて打ち合わせを行いました。地域を元気にする取り組みなので今から体制を整えていきます。