活動報告・レポート
2025年1月17日(金)
労働市場
労働市場

懇意にしてもらっている社長が訪ねてくれました。挨拶の目的は、新しく人材派遣の会社を設立したので挨拶のためです。

本業ではない人材派遣の会社を設立したのは「このままでは和歌山県から働く人がいなくなってしまうと思ったからです。今でも若い人を中心にした求人をしても人が集まらない状況で、このまま推移すると近い将来、働く人がいなくなってしまいます。経済、経済と言いますが、働く人があっての経済です。働く人が減少している中で経済再生はあり得ないことです。もし和歌山県から若い人が減少している状況で、働く場所もなく、そのため益々人口が減少していく中で経済を再生できる方法があれば、示して欲しいと思います。働く人が増えなければ、絶対に和歌山県経済は良くなりません。

また人口減少の問題に対応すると政府は言っていますが、仮に人口が増加に転じるまでのリードタイムは100年ぐらい必要だと見ています。そんな政策は全く当てになりませんから、和歌山県で働く人を増やすことを考えています。

県外から働く人が来てくれて増えると生活費や消費は確実に増えますから、今よりも経済の底上げにつながります。対策、対策とばかり話していても実行しなければ消費も仕事も増えることはありませんから、それならと会社を作りました。

それに加えて今、日本の魅力は落ちています。仕事柄、アジアにも出かけていますが、外国人で日本に行って働きたいと思うことは減少しています。日本で働いても給与は決して高くないことや、円安の影響で自国通貨に換金した時の価値が下がっているからです。アジアの人はほとんど英語が話せるので、日本より欧米で働く選択をしている人が増えています。アジアから見ると、日本は以前ほど魅力のある労働環境にはないのです。

日本人が、今も自分たちは優秀だと思っていると大変なことになります。アジアの人たちの能力は高いですし、勤勉さも日本人よりも上だと思います。今の時代、日本に来るのは出稼ぎと言うよりも技術の取得や学ぶために日本に来るという感覚でしょうか。向上させてくれるものがなければ日本に来てもらえなくなる日も近いと思います」と話してくれました。

納得できる話です。アジアの人の優秀さと勤勉さ、真面目さは他からも聴いていますし、日本の給与水準が低い実態も聴いています。黄金の80年代のように日本は他国を圧倒しているものではなく、またアジア諸国からするとルックイーストの時代でもなくなっているのです。日本がアジアをリードしていた時代から共生の時代へと変化してから久しくなっています。

現在の和歌山県の人材不足を解消するために会社を設立してくれたこと、そして将来の和歌山県を考えての活動に敬意を表します。人が増えなければ仕事は増えませんし、経済も良くなりません。最も和歌山県が必要としているこの領域に切り込んでくれることに期待しています。

福祉の仕事

午後からは福祉の現場を訪ねました。福祉分野も人材が不足していますが、以前のようになかなか人が集まりません。現場を支える若い人は尚更不足しています。命と尊厳を守る職場が大変な環境になっています。

そこで実務経験がなくても意欲と関心のある若い人の参画を願っているところです。特に求められるのは明るさと優しさです。知識や技能よりも、優しく人に接することができる人が福祉の仕事に向いています。そんな優しさ溢れる人を交えて懇談することができました。私たちは「新春から良いことがありましたね」と話し合いました。優しさ溢れるひと時となったこと、感謝いたします。