活動報告・レポート
2025年1月11日(土)
ナームの集い

今年最初の「ナームの集い」に参加しました。講師はもちろん高木歓恒師で、有難い卓話を聴かせてくれました。

・日本の文化はお米であること。

ナームの集い

「日本の文化は」と質問にされると幾通りもの答えがありますが、私は「お米」だと思います。今から約2400年前に大陸からお米が伝えられました。この時に伝わったお米の種類は、ジャポニカ米というもので、今のお米と違ってタイ米のような形状と味でした。弥生時代だったので土器の中に薪を入れて沸騰させて食べていたようです。粘りが少なくて、パリパリの食感だったと思われます。

それから800年後に日本の気温が約5度低下しました。熱帯ジャポニカ米が育つ環境ではなくなったので、低温に強いお米を選び育成することになりました。今でいう品種改良のようなものです。温帯ジャポニカ米というもので、今のお米に近い種類になっていくのです。その頃、かまどが作られたので、かまどでお米を蒸して食べるようになりました。時代が進みますが、お米の食べ方はこの頃のままでしたが、江戸時代の中期になると鉄鍋が登場したので、現在と同じようにお米を炊いて食べるようになったのです。

但し、白米は特権階級の人だけが食べることができた高価なものでした。庶民は粟や稗、野菜などを交えた雑穀を食べていたのです。

食べ方は変わっていきますが、生産方法はずっと変わらず集団で耕作してきました。一人でお米を育てることはできなかったので、どうしても集団生活を余儀なくされました。ヨーロッパは個人で食べ物を得る狩猟生活でしたが、日本は田んぼを耕す集団生活だったので、他の人と合わせる必要があったのです。日本人が我慢強い、粘り強い性質なのは集団生活から来ているものです。

お米は食生活だけではなく石高という価値でもあり、日本人の生活スタイルや性質も形成したものであり、まさに日本文化そのものだと思います。

・大谷翔平選手について

失われた30年と言われます。バブル崩壊後の30年間は日本経済が低迷した時代ですが、何故かスポーツや文化は向上しているのです。毎年のようにノーベル賞を獲得していますし、オリンピックでもメダル獲得をするようになりました。その象徴がドジャースの大谷選手です。その実績は言うまでもないので割愛しますが、大谷選手の原点は高校時代の佐々木監督の教えがあると思います。それは「先入観は可能を不可能にする」という教えです。

先入観を持って物事を見ていると出来るものでも出来なくなるということです。つまり固定観念があれば自分のやりたいことを達成できないということです。

大谷選手はプロ野球では誰も実現できていなかった二刀流に挑戦していますし、最短でメジャーリーグに移籍することも目指してきました。これまで出来ていなかったことですが、自分なら「できる」と信じているからです。結果として日本のプロ野球で優勝も達成しましたしMVPを獲得することになりました。その実績を元にメジャーに移籍、エンゼルスでも二刀流で結果を残し、世界一を目指してドジャースに移籍、ワールドシリーズで優勝を果たしました。先入観を持たないで自分を信じて行動した結果、目指していることが可能となったのです。技術向上を目指して練習していることと共に固定観念にとらわれない心が物事を実現していく力になっていると思います。

・斜めから降ってくることについて

母親が子どもに言った言葉です。「人のために何かをしたとしても、その人から返ってくることはありません。でも人のためにやったことは斜め上から降ってきます」。

この意味は、人に親切にしても、人のお役に立つことをしたとしても、その相手の人からお返しが来ることはまずありません。人はやってもらったことを忘れてしまうからです。

でも人に親切にすべきです。相手の人から見返りはなかったとしても、人に親切にしたことは巡り巡って他の誰かが自分に対して親切にしてくれるのです。良い行いをすれば良いことが返ってきますから、見返りを求めることなく人には親切にしなさいということです。

斜めから降ってくるのは、人に良いことを行ったことは違う誰かがお返ししてくれることなのです。だから自慢話や人の悪口は言わないことです。言っている自分の運氣を落としますし、聴いている相手も後口が悪くなりますからその人から離れていきます。

新年から有難いお話を伝えてくれた高木歓恒師に感謝いたします。