活動報告・レポート
2024年3月20日(祝・水)
那智の話
那智の話

和歌山県観光の中核となるものが熊野古道と共に紀三井寺や高野山、そして熊野三山を始めとする寺社仏閣を訪ねることです。その一つとして那智勝浦町出身の友人から、那智勝浦町にある青岸渡寺の話を聴かせてもらいました。

青岸渡寺の屋根の裏は朱色に塗っているのですが、それには理由がありました。織田信長が「比叡山を始めとする仏閣を焼き払え」と命令した時、豊臣秀吉は、青岸渡寺はわが国にとって大事な寺院であり焼き払うことはできないので、「ここは神社である」と言い訳をするように屋根裏を朱色に塗ったということです。豊臣秀吉が関わっていたことを示すものが、同寺院の賽銭箱の天井にある秀吉の家紋です。豊臣秀吉によって守られた青岸渡寺ですが、ここを守った者が天下を獲るという言い伝えがあるそうです。秀吉は青岸渡寺を守ったことで天下獲りにつながったと言われています。青岸渡寺と同じ敷地には那智大社が建立されていて、御神体である那智の滝を神仏が一緒になって護っています。熊野信仰は自然信仰であり神仏習合であることを象徴している寺社仏閣がここにあるのです。

和歌山市の紀三井寺や高野山の寺院の天井裏が朱色に塗られているのは「同様の意味を持っているのではないでしょうか」という話です。

さて青岸渡寺から那智の浜を見渡せますが、熊野信仰、つまり熊野曼陀羅の世界ではその海の先に極楽があると言われており、特別な地だったのです。またこの那智の浜から神武天皇が上陸したと言い伝えがあり、ここまで乗って来た船舶を岩の陰に隠して上陸したと言われている場所もあると聞きました。

この神武東征から豊臣秀吉が寺社を護った話を聴くだけでも、和歌山県の奥深さを感じることができ、和歌山県観光を堪能できると思います。このような地元に伝わる逸話があることも和歌山県観光の魅力の一つです。またひとつ、和歌山県歴史を語れるための新しい発見がありました。

講演依頼

企業からの依頼で「宗光と龍馬 未来への伝言」の講演をすることになりました。この講演依頼は、昨年末にこの企業を訪問した時、社長に「陸奥宗光外務大臣」の話をしたところ「和歌山県の偉人の話を聴いたのは初めてです。今度、社員に話してください」と反応があったことで実現したものです。

この時、陸奥宗光伯の幼少の時代、紀州にいた時から江戸に行くきっかけの話と父親の伊達千広が紀州から京都に移り住み、そこで坂本龍馬を始めとする後の維新の志士たちに国学を教えた話を中心に伝えたので「故郷の偉人の生い立ちが私達のまちが舞台になっていることで親しみを感じました。活躍した時代にも関心がありますが、紀州にいた時代の話は特に興味がありました。社員にも陸奥宗光さんの話をして欲しいので、来年、弊社で社員を対象に講演をしてください」と依頼をいただきました。

そんなご縁があったので、社長秘書と予定を調整して日時が決まりました。分かりやすく説明できるよう、これまでの資料に教科書で紹介されている陸奥宗光伯の話を交えて当日の説明資料を整えました。

今年は「龍馬World in和歌山」大会が和歌山県で開催されることもあり、特に講演活動に力を入れているので、活動の広がりを実感しています。地元でもあまり知られていなかった故郷の偉人の足跡を伝えることで、その志に基づいて行動が未来につながり、現代の日本があることを理解してもらえるよう説明しています。今回の企業での講演の機会はありがたいことですから、紀州で育った時代から不平等条約改正までを短時間で一気に伝えたいと思っています。