活動報告・レポート
2024年3月3日(日)
たまたまの機会
たまたまの機会

数年前に起業した社長と懇談する時間がありました。起業してから1年間は事業の説明と人脈づくりに充て、その後は事業の具体化を進めています。毎日のように全国を周っている中で和歌山県を訪れてくれたのです。

「僕の強みは現場を知っていることですね。お客さんの思いは分かりますし、商売をしている店主や働いている人の思いも分かります。仕事に必要な現場の声から経営に必要な数字まで分かっていることが強みだと思っています。上場企業の役員であっても常に現場に接しているわけではありませんし、親などから事業を引き継いだ人には分からない苦労をしています」と話してくれました。

この先、手掛けている事業が推進力を持ち浮力を持って浮かび上がるために、毎日、全国を駆け回っています。今は事業展開のために、とにかく人と会っているようです。会社で座って報告を聴いているだけでは分からない現場感覚を大切にして、とにかく自ら行動しているのです。

「よく『10年先を見て経営しなさい』と言われますが、通常であれば10年先を見通せることはできないですよ。毎日、現場で感覚を磨き、社会やお客さんが何を望んでいるのか知り研究を続けることで、明日の見通しが立つようになり、それを継続することで1年、2年先の姿が見え始め、人脈と数字が増えていくことで10年先にどうなっているのかを見通せるようになるのです。

自分で動かない限り、情報や資料を読んでも、部下から報告を受けても見通せることはありません。僕は自分が動いている分、自分がやっている事業のこの先の姿は見えています。もちろん10年後の姿も分かっているので、そのために今、やるべきことを達成するために動いているのです。僕の周囲には御多分に漏れず、経営に意見してくれる人がたくさんいますが、一般論であり的を得ていません。

例えば元上場企業の専務だからと言って自分を売り込んでくる人もいますが、『事業の説明をした後に、ではあなたに何が出来るのですか』と尋ねると、何もできないことが明白になります。

土台が完成した組織で役員を務めていた経験では、起業したばかりの会社経営はできないのです。上場企業の立場で下請けや取引先と交渉した経験や、巨大組織の運営をした経験があっても起業した経験や起業したばかりの会社が何をしているのかの経験がないからです。一から作り上げることは、誰かが作って既に完成している組織を運営するようなわけにはいきません。事業や仕事で結果を出すために大事なことは、面倒な人を中に入れないこと、付き合わないことに尽きます」と語ってくれました。

表情に自信があるのは常に人と接して現場で起きていることから考えて、この先を考えているからだと思います。先を見通す能力などはなく、動いている中から身についてくる嗅覚だと思います。

今週、東京から大阪、博多、熊本県に移動する行程の中で、和歌山県にも立ち寄ってくれました。立ち寄ってくれたのは、たまたまや偶然ではなく人脈によるものです。人を知り、人とつながることの大切さを感じます。「たまたまの機会」は偶然ではなく、日頃からの人間関係の中で生じるものなのです。

ですから「たまたまの機会」とは、日頃から積み上げていた土台の上に発生するものだと言えます。

その他
  • 白浜町で開催されたイベントに行ってきました。今年初めての開催で、来年は和歌山市内でも開催したいと伝えてくれました。