活動報告・レポート
2023年6月15日(木)
井沢弥惣兵衛
一般質問の議論

今回予定している一般質問に関して、当局の皆さんと議論を交わしました。今回一般質問を予定している項目は「紀淡海峡ルート」「公共交通」「県指定文化財」「大阪・関西万博での和歌山ゾーン」についてです。

議論を交わすことで課題に関しての認識が深まりますし、「何とかしなければ」という気持ちが高まってきます。課題を認識していながら次に持ち越すことは良くないので、自分達で解決する気概を持って対応しています。

丁度昨日、運送業界での2024年問題について運送会社の社長から説明してもらったのですが、バス業界でも同じ課題に直面していることが分かりました。働き方改革による労働基準法改正に伴う時間外労働の上限規制により、運転手不足が顕在化する傾向にあるようです。路線バスの維持と利便性向上のための現在の課題は、予算ではなく運転手の確保に変わっているようです。社会をしっかりと見据える必要があることを感じました。

井沢弥惣兵衛

和歌山県の偉人の一人である井沢弥惣兵衛に詳しい方と故郷の歴史に関して議論を行いました。偉人の足跡を訪ねるにしても「その偉人に関する物語を知っている人に案内してもらわなければ、現地を訪れても深くは分からないので関心は半減します」と話してくれました。全くその通りだと思います。

偉人の足跡を訪ねるのは楽しいことですが、詳しい人に案内してもらわなければ、行っただけのことになりかねません。和歌山市にある勝海舟の居留地や陸奥宗光伯生誕地の碑を訪ねても、勝海舟が和歌山市を訪れた理由を知らなければ石碑を見ただけになますし、陸奥宗光伯の功績を知らなければ生誕地の案内板を見ても関心は持てないでしょう。

そのため「和歌山市にいながら陸奥宗光伯の功績は知りませんでした。学校で習った記憶はなく、周囲の人からも故郷の偉大な偉人の話を聞いたことがありません」となるのです。知らないことは決して悪いことではなく、教えてこなかった教育の問題であり、故郷の歴史を語ることが少ない環境に問題があるのです。

故郷の歴史講演会などは開催されていると思いますが、もしかすると受講する機会が少ないのかもしれません。とにかく歴史と文化の薫り高い和歌山県ですが、それらに触れる機会が少ないことを残念に思っています。

ただ今回の懇談で「陸奥宗光伯や和歌山県の偉人に関心を持つことができました。来月の不平等条約改正130年を記念した講演会にも参加したいと思います」と話してくれたように、話を交わすことで関心を呼ぶことになります。

この井沢弥惣兵衛に関しては「埼玉ゆかりの偉人」で次のように紹介されています。

江戸時代の農政家・治水家

8代将軍吉宗により登用された弥惣兵衛は享保13年(1728)、見沼鴻沼等を干拓し、利根川右岸の下中条村(現行田市)から約60kmにわたる用水路を開削した。これにより、約1200町歩の沼沢地は水田に生まれかわり、周辺の村々に多大の恩恵をもたらした。さらに、享保16年(1731)八丁堤の北側に見沼代用水と芝川を結ぶ通船堀を開削し、用水路を利用した船運が開始され、地域の商品流通の促進に寄与した。

この方は毎年、井沢弥惣兵衛為永の銅像が建立されている、埼玉県の見沼自然公園を訪ねて地元の皆さんと交流をしていると聞きました。和歌山県から来たと言うと「井沢弥惣兵衛さんの地元から来てくれたのですか」と大いに歓迎して功績を説明してくれたそうです。

見沼自然公園に銅像が建立されているほどですから、地元では「私達の生活を救ってくれた恩人、偉人です」と語り継がれていると聞きました。対して、出身地である和歌山県ではその功績を語り継いでいるのかどうか疑問に感じました。

陸奥宗光伯と井沢弥惣兵衛のことを話し合って、改めて故郷の偉人のこと、偉人教育を見直す契機となりました。