活動報告・レポート
2018年11月1日(木)
地方議員の役割

地方議員の役割は民意を聞いて政策に反映させることにあります。議会で議論を交わす行政機関は数多くの最新の情報をたくさん持っていますから、地方議員とは情報収集力に大きな差があります。情報力で勝負しようとしても、情報の鮮度、正確さ、量に違いがありますから地方議員が情報戦をしても勝てる見込みはありません。でも議会で議論を交わすことができています。その理由は民意を把握しているからです。行政機関は最新で鮮度の高い情報を持っていますが、県民の意見や思いを直接聞く機会が少ないのです。

その点、地方議員は地元を中心として、常に多くの人と接しています。人と接することで実際の現場の声を聞くことが出来ています。困っていることや実行して欲しいこと、不満や期待などを直接聞くことが出来ているのです。この民意が議論するために武器になっているのです。

国や県は数多くの情報やアンケート調査などから判断し政策にしようと決めたことであっても、現場の思いと違うことで、ズレが生じていることがあります。地方議員が国や県からの情報に頼っていては、その方向性が正しいと思い込んでしまいます。

ですから現場を回り民意を把握するように心掛けているのです。行政機関は情報力が武器になりますが、地方議員は民意が武器になります。国や県が把握している正しいと思われる情報に対して、地方議員は民意を聞き取り真の声を把握して論戦に挑むことになります。行政機関が策定する政策があるとします。でも和歌山県民がその政策に賛成するとは限らない場合もあります。

政策を施行する前であれば、実行しようとする内容や導入された場合の影響などを県民の皆さんに説明し、政策と民意にズレがあれば修正することを提言することになります。行政機関と地方議員が議論することで政策内容の精度を高めていく作業を実施していくのです。このような修正を加えることによって、より多くの県民の皆さんが期待できる政策として施行することになります。

また施行してから年月が経過した政策に関しては、県民の皆さんは内容を知っていますしその政策の影響を実感していますから、直接意見を聞いてみると時代が進展していることによるズレがあるかないかを把握することが出来ます。

政策と民意にズレがなければ、その政策はそのまま継続すれば良いということになりますから、議会で議論する必要性はありません。

しかし政策と民意にズレが生じているとすれば、現場の意見を基にしながら一般質問や委員会で質疑を交わす是非を考えることになります。議会で取り上げることによって、政策と民意の差を埋めていくことできるのです。議会での議論がなければ民意を反映させる機会がありませんから、不都合の政策であっても継続されてしまうことも考えられます。

地方議員の役割は民意を把握し議会で取り上げ、民意を政策の中に織り込んでいくことにあります。

その人の固有の問題であれば議会で取り上げることなく、所管箇所との折衝で解決することは可能ですし有効な手段となります。しかしその人固有の問題ではなく、現場で意見を聞いていくことにより、個人の固有の問題ではなく地域全体の問題だと考えるなら、しくみを変える必要がありますから議会で取り上げなければ解決に向かいません。しくみを変えるのに密室のやり取りで解決することは適していないからです。

県全体に影響を与えることや、広く地域に影響を与えることであれば議会で議論を交わし、正しい方向性を見つけることが必要です。民意を反映させられない議会の存在はあり得ませんから、しっかりと議場で議論を交わしたいと考えています。

こんな議論を行えた、とても有意義な時間となりました。