活動報告・レポート
2017年11月19日(日)
見学例会
川内原発見学例会

和歌山ゴールドライオンズクラブ見学例会に参加しました。見学例会とは、社会見学をすることで見聞を広め、より一層の社会貢献に貢献することを目指して実施するものです。

同ライオンズクラブでは平成29年5月に「くろよん」の見学を行い、わが国の高度成長期の電力を支えた黒部ダムの建設の歴史とその事業に携わった人達のことを学びました。国が発展する過程において関わった人達の思いと行動があって現代社会があります。これまでとれだけ多くの人達が関わってこの国が発展してきたかを思うと、社会を支えている施設や歴史的意味の持つ施設などの見学はとても貴重な経験となります。このような経験を持つことで、真に役立つ社会貢献ができるものと考えています。

今回の見学例会は、鹿児島県にある川内原子力発電所と知覧を見学することにしています。初日は川内原子力発電所、二日目は知覧の見学を予定しています。

初日はわが国のエネルギー問題を考える契機にしたいと考えています。かつては「くろよん」に代表される水力発電が社会の電力需要の要請に応え、その後火力発電から原子力発電が電力需要を担うようになりました。電力の問題は考えておくべき課題だと思います。今後、社会は電力シフトが更に進むことになると考えるからです。ひとつは地球温暖化の問題への対応が必要なこと。もうひとつが脱化石燃料の象徴として電気自動車の普及が推し進められることがあるからです。ヨーロッパでは2040年には全ての自動車を電気自動車に代替すると発表していることからも、世界では電気エネルギーの需要は増加することになります。

さて今年、サウジアラビアのヒッマ大学のラヤーン・アラブさんを和歌山県にお招きして講義をしてもらいました。その中で「サウジアラビアは脱石油を目指しています」という話を聞かせてもらいました。産油国が国策として脱石油を目指しているという話は冗談かと思いましたが、本気で目指していることを知りました。それは世界が脱石油に進むことから石油需要は減少するので、今からその時代に備えることが国として必要な政策だということでした。その時、20年後にはハイテク産業を国の主力産業にしたいという考えも聞かせてもらいました。日本に対して、ハイテク産業、高度医療と健康産業などの技術指導の要請があった程です。

川内原発見学例会

このようにエネルギーを考えることは国家を考えることだと思いますから、そのためにも施設見学は必要だと考えて行程を組んだものです。

参考までに、今年、サウジアラビアの女性は自動車の運転免許を取得できないことが指摘されていました。女性が運転免許証を持てない理由についてラヤーンさんは「サウジアラビアは女性を大事にする国です。そのため自動車の運転は男性がするもので女性は危険を避けるように運転しないしくみを作っているのです」という話をしてくれました。

この問題は女性の人権を制限するもので女性差別だと国際的に非難された案件ですが、サウジアラビアとしての考え方があったことを聞かせてもらったのです。それぞれの事情を知らないで、外部から自分達の価値観を持って批判や非難の声をあげることは正しいことではないかも知れません。何かの課題が発生すれば、国際的なルールとその国の考え方の双方を知った上で、どうすべきかを考えたいと思います。

エネルギー問題もそれぞれの発電方式に長所と短所がありますから、それを知った上で全体のエネルギー問題を考えたいものです。

さて川内原子力発電所は、原子力規制委員会の審査を経て、鹿児島県知事の同意を取り現在、再稼働をしていますが、その理由の一つとして、川内原子力発電所が地域と共生する姿勢があることだと感じることができました。

この発電所の使命は地域の皆さんに電気をお届けすることを通じて、社会に貢献することを目指していること。その前提は安全性を追求し地域の皆さんに安心してもらい、ここに発電所があってよかったと思ってもらえることだと聞かせてもらいました。日本で一番安心な発電所をつくりたいという思いが伝わってきました。

見学例会初日はエネルギー問題を考える機会となりました。また一人の方から明日の知覧は「心で命の大切さを感じて欲しい」と伝えてくれました。知覧は非日常を体験できる場所ですから、普段はない体験である心の涙を流して欲しいと話してくれたことが心に残りました。